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●21世紀のニッポンのDM医療をデザインする

では最後に、「21世紀のニッポンのDM医療をデザインする」として、今後の日本のDM医療に対する期待像を提示しておきましょう。

先ず、患者が自分自身で決める生き方を「支援」する医療へ。誰か他の人に任せるのではない、自分のことは自分で考え、自分で決める医療。そうして自己責任と自己選択を引き受けることにより、医療を自分の手に取り戻し、先ずそこからQOLの向上を図りたいと思います。

その理念を実現するためには、最適の医療技術へ簡単・安価にアクセスできるシステムの構築が不可欠になってきます。これから開発され、市場に出てくる医療技術を「絵に描いた餅」にしないためにも、それを実際に実現するための制度と一体で考えていく必要があります。

そして、そうした制度を整備するには、医療を享受する側から、提供する側への積極的・建設的提言ができるよう、脱皮を図ることが重要です。具体的には、福祉的な法整備の働きかけや、診療報酬策定プロセスへの参画が挙げられるでしょう。単に「ああなったらいいな」「こうなればいいのに」と愚痴るのではなく、その実現に向けて具体的に行動していくべきではないでしょうか。

終わりになりましたが、1型DMとなっても、安心して社会的・経済的に自立して生きていける、そのような社会を、ニッポンを皆んなの力を合わせてデザインしていこうではありませんか。