●ICA(膵島細胞抗体)
【あい・しー・えー・こうたい(すいとうさいぼう・こうたい)】
(検査指標名)
(英:Islet Cell Antibody)
[類→抗GAD抗体



ICAは膵島細胞(Islet Cell)の細胞質と反応する自己抗体である。ICAの対応抗原は未だ不明な点もあるが、グルタミン酸脱炭素酵素(GAD)(→抗GAD抗体)もその一つと考えられている。ICA測定の意義は,1型糖尿病(高血糖症)(≒IDDM)か2型糖尿病(高血糖症)かの鑑別が困難な糖尿病例で測定し、陽性であったならば1型糖尿病(高血糖症)と診断できるところにある。

急性発症の1型糖尿病(高血糖症)の場合、発症直後ではほぼ全例にICAが検出されるが、経過とともに陽性率は低下し、10年以上経過した例では約10%の陽性率しか認められない。ICAはヒト膵切片を用いた蛍光抗体法で測定される。1型糖尿病(高血糖症)患者の第1度近親者においてもICAが検出されることがあり、この場合将来的に糖尿病が発症することが予想できる。2型糖尿病(高血糖症)の臨床型をとる症例の中にも、5〜10%の頻度でICAが検出される。

ICAが持続陽性を示す際には、インスリン分泌能が数年間の経過で徐々に低下し、最終的にはインスリン依存状態となることも予想でき、このような例を緩徐発症型IDDM(SPIDDM:Slowly Progressive IDDM)(→)と呼ぶ。

参考:http://wwwsam.hi-ho.ne.jp/tootake/s63415.html