堀川商店街が取り組むこの「京都晴明神社堀川参道事業」は、ここ数年来の陰陽師ブームにより近在の晴明神社を訪れる観光客が急増していることに着眼し、この機を利用して商店街の街興しを目輸んだ商店街活性化策のひとつである。
商店街周辺の地域も、京都の基幹産業であった繊維産業の衰退とともに嘗ての賑わいを失ってしまい以前の面影は今はない。商店街に活気を取り戻すために集客を計るには、これまでの主要な顧客であった地域近隣の客層だけでなく、観光客なども含めた広範な客層をも対象としたマーケテイングを行わなければならないのではないかという観点から陰陽師人気を利用した商店街活動を画策した。
近隣地区や京都市内に限らず広く全国に「京都晴明神社堀川参道」を広める事により、堀川商店街のブランドとオリジナリティを確立して魅力を高めることにより集客を行い、贔屓(ひいき)客を創造して、当商店街が繁栄することを最終的な目標とするものである。
また、名所旧跡が多数ある京都の中でも当商店街は好立地であることを再認識することで、ひとつの地点としての商店街でなく、晴明神社から二条城までつながりのある参道という“線”での位置づけと近隣の名跡を取り込む地域という“面”までの広がりを視野にいれて、商店街だけに限らない地元地域の町興しを含む地域社会への貢献をも目指すものでもある。
前年度はまず初めの一歩として、堀川商店街に「京都晴明神社堀川参道」の別名を冠すると同時に商店街のホームページを開設して「京都晴明神社堀川参道」を前面にアピールする取組みを行った。平行して、商店街の各店舗と周辺観光スポットを紹介したマップの発行や買い物客を対象にしたスタンプラリーによる紀念品の進呈などの活動をすることにより「晴明神社堀川参道」のイメージ作りと浸透化を狙った。
またホームページの立ち上げを中心とした一連のこれらの事業に携わる特別委員会「IT委員会」を組合員有志により設立してより専門的に取り組んだ。
さらに加えて、堀川商店街独自の「堀川参道グッズ」として陰陽師関連の商品の開発と製造販売に組合員が取り組み、他所にはないオリジナル商品をラインナップに加えることで本参道事業に厚みを持たせ、「京都晴明神社堀川参道事業」が、出費ばかりになりがちな単なる客寄せの企画に留まらないことを模索した。
勿論のこと、安倍晴明公と陰陽師そして晴明神社を事業のテーマとしていく関係上、晴明神社の宮司をお招きして、同神社のことを学ぶとともに「晴明神社堀川参道」とその周辺の振興を図る目的のフォーラムを開催する事で、今後の商店街との連携事業について検討するなどして交流を深めた。
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