京うちわ
うちはは起源前3世紀に中国に既に存在していたといわれる。6〜7世紀頃日本に伝わり、涼をとる以外に宮中の火起こしや貴族が顔をかくす翳としても用いられた。16〜17世紀頃には竹を割って骨とする形が生まれ、その後各地で多色刷りの華やかなうちわが作られた。京都で創作された京うちわは「都うちわ」とも呼ばれ、団扇面と把手が別に作られ、細骨を放射線状に並べて後から柄をつける差し柄の構造になっているのが大きな特徴。この特徴を生かし、硝子や陶器など様々な材質を使った柄も見られる。京うちわの図柄はかつて狩野派や土佐派の絵師によって描かれていたことから、現在も琳派などの系統の絵が多い。近年は伝統的な技法に「すかし団扇」など新しい創意工夫を加えたものも見られ、パリコレクションをはじめファッションショーの小道具に用いられるなど用途は更に多様化している。

写真提供/阿以波





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