京黒紋付染

紋付は室町時代に出現した。単なる目印から自己専属を表す家紋を表すようになったのは、桃山時代から。江戸時代には武士の間で檳榔子と言われる植物染料で染めた黒紋付が愛用された。染料に含まれるタンニンが刀を通さないほど絹地を強くしたため護身用として使用された。明治時代に入ると、礼服が黒紋付に羽織、袴と制定され、冠婚葬祭の儀式を中心に着用されるようになった。京都の黒紋付はヨーロッパの染織技術や化学染料の導入によって磨かれ、赤や青に染めてから黒色染料てせ仕上げる紅下黒、藍下黒などの技術が確立された。深みのある黒が特徴で独特の風格をもつ。



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