京石工芸品

京都では平安京の造営における大内裏や社寺の建立によって石工の技術が磨かれ、仏教の隆盛と共に石塔や石仏、石燈が作られるようになった。中でも比叡山麓の白川の里は白川石と呼ばれる良質の花崗岩を算出し、古くから多くの石屋が軒を並べる石工人の村として知られていた。鎌倉時代に工具の発達によってめざましい技術の進歩を見た京都の石工芸品は、先年の都として育まれてきた高い文化水準を背景にして発達したため、他の地方では見られないような工芸的価値を誇っている。とりわけ石燈籠や水鉢などは鋭い美意識を持った茶道とかかわる中で美への要求に応えるための技法を発達させ、需要を増加させた。
写真協力/西村石灯呂店



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