川端道喜(かわばたどうき)
室町時代末期以来京都御所に粽や餅を献上してきた菓子司の世襲名。渡邊進の娘婿であった初代五郎左衛門は千利休と共に茶を学び、剃髪入道して道喜を名のった。五月の端午の節句には粽を食べて邪気を払う風習があるが、初代道喜が利休に粽を贈ったところ、淀の鯉の返礼を受け、賞美されたと言う。葛や小豆餡を笹で巻いた道喜粽は現在も川端道喜を代表する餅菓子である。代々の道喜が毎日献上した「御朝物(おあさもの)」と呼ばれる餅を、各代天皇が毎朝、朝食前に御覧になる儀式「朝餉(あさがれい)の儀」は、東京遷都となった明治時代まで続けられた。道喜が通ったくぐり門は「道喜門」として現在も京都御所建礼門の東横に残る。東京遷都後は在京の茶道家元等に茶菓子を納めている。
写真提供/川端道喜





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