御所人形

白い肌の丸々と太った童の姿をした人形。子授け祈願や生まれた子の成長を願って作られ、初期は五頭身であったが、三等身にデフォルメすることによってより豊かさ、ふくよかさを表現するようになった。諸大名が参勤交代の途中で御所に挨拶として贈り物をする習慣があり、その返礼として御所人形を届けたこと、皇女の愛玩用として好まれたことから大きく発展。すべてが江戸中心の時代にあっても、人形文化だけは御所を中心とした京都にあった。桐の木を彫り、胡粉を塗り重ね、木賊で磨いて細部を彫り仕上げる。から拭きをして光沢を出し、面相筆で目や髪を描き、口に朱を入れる。愛玩用としても美術鑑賞用としても優れた日本を代表する人形。大内人形、拝領人形、お土産人形、伊豆蔵人形、白菊人形、白肉人形などとも呼ばれる。



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