1997 JULY
NO.261
KYOTO MEDIA STATION
特集
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(財)京都産業情報センター事業案内


 活力ある商店経営をめざして
 小売商業支援事業

消費者ニーズの多様化、個性化が進むなかで、中小小売業者の皆様の店舗活性化に向けて、意欲ある取り組みを支援しています。
  • 活性化相談
    「顧客管理の有効な手法は?」「売り上げを伸ばすための打開策は?」「効果的な販売促進のやり方は?」……小売商業者が抱えるさまざまな問題に対応するため各方面の専門家をアドバイザーとして委嘱、巡回による個別相談や相談会でご相談に応じています。
    1. マーチャンダイジングやマーケティングノウハウの指導
    2. 店舗設計、ディスプレイなどの相談
    3. POS、LANなどの情報化への相談
    4. 小売商業支援センターの各種情報の提供
    5. 法律、税務、会計等の相談
    6. その他経営全般に関する相談、指導
  • 商店活性化セミナー「あきんど講座」、講演・講習会の開催
    商店経営の戦略や販売技術面の改善に役立つ内容で、府内各地で随時開催しています。
  • データベース情報の提供
    日経テレコム、日経POS情報を使って全国約500店舗の大型小売店のPOSデータを収集・加工し、売れ筋商品速報等を提供します。
  • 情報誌の発行とFAX通信サービス
    『まいんどKYOTO』は繁盛店リポート、セミナー講演内容などの情報、FAX通信「あきんど・ねっと」はイベント・セミナー、ビデオ・図書などの情報をリアルタイムでお届けします。
  • ビデオ・図書の貸し出し
    衛星放送「Mチャンネル」の録画ビデオ、商店経営のノウハウビデオなどの貸し出し、視聴覚コーナーでの放映を行っています。また新聞、雑誌、書籍などの文字情報を取り揃えたライブラリーも設置しています。

小売商業支援センター アドバイザー
中小企業事業団 指導部登録専門指導員工学博士 尼川 恵一氏(店舗設計家)


店の語源は“見せびらかす”からきたといわれ、お客様の目に最初に映る“顔”です。ステージ(舞台)として、観客であるお客様から拍手してもらうように演出しなければなりません。繁盛店はどの店も一種の風格が備わっているし、必ずお客様の欲求を満たすノウハウを持っています。
店舗には「PMPS」を盛装させるべし。最初のPはフィロソフィー(経営哲学)、Mはマーケティング、次のPはパッケージング(包装などの演出)、Sはサービスです。店舗自体は財産ではなく、商いをする道具。コンピュータもソフトがなければただの機械であるように、舞台演出が必要なわけです。
器の中身(商品)も量販店と似たようなものばかり並べていませんか。どんなに豪華な舞台をつくっても、ありきたりの役者を揃えて演出をせずに公演しても空席ばかりになってしまいます。店舗は金のなる木の植木鉢、知恵という肥やしのやりようで花も咲くし、枯れもします。花を咲かせたいという方なら、どなたにもどんどんアドバイスします。

銘菓処「喜久春」 代表/西山 喜久治氏

私の店のある阪急・長岡天神駅近くのセブン通り商店街(85店舗)は近年、大型店の出店などに押されて“売り上げが横ばいやったら上等や”といわれるほど地盤沈下が悩みのタネになっています。あんの中に乙訓特産のタケノコの甘露煮を入れた「竹の子最中」が平成6年の全国菓子博で総裁賞を頂戴しましたが、和菓子づくりはともかく、経営のほうはどうも苦手でした。
小売商業支援センターの会員になってからは食品に関係のあるセミナーには欠かさず出ていますし、店を手伝っている娘は接客や販売マニュアルなどのビデオをセンターから借りて勉強しています。商業アドバイザーの先生には店舗づくりで忌憚のない助言や指導をいただき、視野も広がってきたような気がします。センターとの出会いがなかったら、現状に甘んじていたかもしれません。目下の課題は、ギフト用にお買い上げいただいた全国約1,000人のお客様の顧客管理の方法です。

 環境に配慮して、業務も効率化
 エネルギー・環境関連対応事業

地球規模で進行する環境破壊に対する危惧の声が高まる中、平成5年にはわが国でも環境保全についての基本理念と責務を定めた「環境基本法」が制定されました。また、省エネルギーとリサイクルは業務の効率化の上でも重要なテーマであり、企業にも環境に配慮した経営活動を行うことが求められています。 当センターではこうした状況を踏まえ、
オゾン層保護のための脱フロン
地球温暖化防止のための省エネルギー
リサイクルの促進
への積極的な取り組みを支援しています。
  • 相談・指導
    当センターの相談員と中小企業事業団の専門員が指導・アドバイスを行っています。
  • 講習会・セミナーの開催
    エネルギー・環境対策や取り組み事例などを紹介するセミナーを開催しています。
  • データベース検索と調査
    エネルギー・環境問題への対応に必要なデータ、大学などで行われている研究テーマ、新技術、新製品、文献などを調査・報告します。
  • 情報誌『環・京・NOW』の発行
    エネルギー・環境問題と企業とのかかわり、施策・制度情報、新技術・新製品情報、各種調査リポートなどの情報をお届けしています。
  • 書籍・新聞・ビデオ情報の提供
    関係図書、新聞、雑誌、ビデオを取り揃え、閲覧や貸し出しサービスを行っています。

(有)アルフ経営 代表取締役・中小企業診断士
(財)京都産業情報センター・エネルギー使用合理化相談員/辻井 功氏


環境管理とコストダウンの要請といった面から企業様に省エネルギー志向を大変強く感じています。しかしながら、エネルギー利用に関して一歩掘り下げて質問しますと、例えばどの設備でどれ位のエネルギーを使用しているのか、エネルギーの原単位がどう推移しているか、また電力の契約がどうなっているのか、あるいは最大需要電力量がいつ発生しているのかなどを把握していない企業様がほとんどです。そのうえ、「わが社は省エネタイプの設備を導入しているから大丈夫」、あるいは「こまめにスイッチを切っており省エネの余地はもうなくなった」といわれる企業様が多いのも事実です。
このように、エネルギーの使用実態をつかまないままのご意見が大半を占めています。使用エネルギーを正確につかむことによってエネルギーの利用の仕方に改善の余地がある、すなわち省エネルギーの進め方が目に見えてくることに気がついておられない企業様が圧倒的です。
省エネルギーは、まず、月次で自社のエネルギーの使用実態をつかむことからはじめてもらえればと思います。

シンエイ電子部品(株) 取締役工場長/山崎 幹雄氏

TVやOA機器用の電子部品、フィルムコンデンサの製造にハンダを使っていて、鉛の規制が厳しくなってきたこと、また新製品や新規事業に向けてなにかとヒントが得られればと思い、会員企業になりました。コンデンサの単品製造が主体で、持ち得る技術と品質力を生かした付加価値のある製品の開発が当社の課題です。その意味で、異業種交流を通じた未知の業種の方々との接触はなにより刺激になりますし、多彩な情報を得ています。
環境問題への対応は現在、工場の省エネ診断をお願いしており、間もなくその結果が出る予定です。将来的には環境管理システムの国際規格ISO 14001の認定取得をめざしたいと考えていますので、それらに関するセンターからの情報は大いに参考になります。もちろん成果を生み出すのは企業自らの取り組み次第ですが、専門家の先生から丁寧にご指導いただけますから、環境問題への対応でお困りの企業はぜひ一度ご相談されることをお勧めします。

 業種を超えた企業間交流
 会員交流・異業種交流推進事業

  • 会員交流事業
    会員を対象に情報交換の場や新しい出会いの場を設け、会員企業間の幅広い交流をめざすため、新春賀詞交歓会、工場見学、各種セミナーなどの交流会を開いています。
    • 後継者のための異業種交流会−「夢現の会」の運営
    • 工場見学サークル
    • 情報ゴルフ倶楽部
    • 「会員交流研究会」の支援
    • 信用調査サービス
「夢現の会」会長
日本電気化学(株) 取締役営業部長/小林 剛一氏


「夢現の会」は平成5年に発足、現在は15名のメンバーで構成しています。毎月、勉強会や見学会を行っていますが、テーマはやはり「マルチメディア」と「国際化」。私自身、会ができるまではインターネットや電子メールは言葉上で知っていただけで、実際に携わることはありませんでした。昨年、会として独自にホームページを開設し、いまではメンバーの大半がお互いに電子メールのやりとりをしているほどです。
こうした異業種交流は皆が関心のある共通の目標を持つことが大切ですが、性急に成果を求めるとうまくいきません。あせらず、じっくりと、そして堅苦しい話ばかりではなく、毎年、メンバーの家族を交えての食事会も開いています。今年のメインテーマは、インターネットを利用したビジネスの構築。今秋には米国東海岸へ研修旅行も計画しており、ベンチャービジネスのヒントが何か得られればと考えています。

  • 異業種交流推進事業
    人と人との出会いから生まれる新たな視点、発想を大切に考え、交流の場、情報交換の場を多彩に展開し、京都産業の活性化に向けて異業種間の交流をサポートしています。
    • 京都府異業種交流会連絡会議「異業種京都会」の運営支援
      府内で活動する異業種交流グループを中心に運営(91グループ・12,000社)。
    • 講演と交流の集い
    • 京都府異業種企業技術・市場交流プラザ
    • 異業種京都会100テーブル交流会
「異業種京都会」会長
中沼アートスクリーン(株) 社長/中沼 壽氏


異業種交流とはある意味では“仲良し会”で、それがいいところでもあります。交流のやり方に決まったマニュアルやレールはなく、最初から技術交流とか共同開発といった目標を大上段に掲げてしまうと、とかく長続きしないものです。
異業種京都会では昨年、結成3周年ということでホームページを開設しました。今年は時代祭の日(10月22日)に、新企画として「100テーブル交流会」を京都リサーチパークで開催します。これは会場に100個のテーブルを置き、交流グループや企業がざっくばらんに新技術・新製品を発表し合うもので、“おまつり”ですから是非のぞいてみて下さい。
異業種交流は集団見合いの場ともいわれています。うまく結婚にまで進んで子ども(成果)が生まれればなおよい、という気楽な感覚が大事です。「こんなことに困っている」ということでも結構です。悩みごと相談に出かけるようなつもりで交流の輪に加わっていただければと思います。




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