本しぼ織(ほんしぼおり)

「しぼ」とは、糸の撚り具合で織物の表面に表れたしわのような凹凸のこと。しぼのたつ絹織物には縮緬や紋御召しなどがあり、友禅染など染めの生地には必要不可欠である。経緯(たてよこ)の絹糸を適当な太さに揃えてのりづけし、それぞれ右撚り、左撚りしたものを交互に織り込んでいく。ぬるま湯に浸して強くもむと、織物面に多様なしぼが表れる。落ち着きがあり、それでいて張りのある風合いが魅力で、高級着尺を代表する織物として長らく愛用された。