京都を代表する伝統産業として真っ先に挙げられるのが、西陣織やつづれ織(帯地)、友禅染、藍染めなど、“和”に関わる産業。いまなお、京都らしさが最も色濃く残る部分でもある。その独特なデザイン、製法、懐かしい染織機械、また職人たちの心意気に触れながら、京都の伝統産業の本質と今後の行方を探る。


■ 緯錦(ぬきにしき)
  数ある織物の中で、もっとも秀麗なものの代名詞にもなっている。

■ 本しぼ織(ほんしぼおり)
  しぼとは、糸の撚り具合で織物の表面に表れたしわのような凹凸のこと。

■ 経錦(たてにしき)
幾種類かの彩糸を用いてさまざまな紋様や地合を表現した織物の総称。

■ 綟り織(もじりおり)
経糸をひねりながら緯糸の間に織り込んでいく織物。

■ 紹巴(しょうは)
緯糸が経糸を包み覆うような織り方が特徴で、緯糸によってのみ表面の紋様を表現する。

■ 紬 (つむぎ)
紬糸や玉糸で織った平織の絹織物。

■ 朱珍(しゅちん)
繻子織の一つ。七糸緞(しちんたん)が転じたともいわれる。

■ 風通(ふうつう)

表と裏にそれぞれ異なる色糸を用いて、紋様の部分で表裏の配色が逆になるように織ったもの。

■ 綴れ(つづれ)

職人の熟練した技術と洗練された芸術センスが必要とされる織物の王様である。

■ 天鵞絨(ビロード)

最近では職人が少なくなったため、西陣ではほとんど生産されなくなった幻の技だ。

■ 緞子(どんす)

経(たて)糸に本撚糸、緯(よこ)糸に連糸を用い、繻子の表裏組織によって模様を表わす絹織物。

■ 絣(かすり)

経(たて)糸と緯(よこ)糸を部分的に防染し、その糸で絵紋や幾何学紋を織りなしたもの。

 
協力:西陣織物工業組合