組織の若さと実行力に注目が・・・
かねてから準備が進められてきた(財)日本賃貸住宅管理協会(本部東京・井関清会長)の設立が認可され、財団法人の組織として四月から本格スタートしました。社会の要請が後押しした賃貸業界における新組織だけに各方面からその仕事ぶりへ期待の目が注がれています。財団化以前の数年間、業協会として全会員が業界の発展のため一致努力し、人材養成をはじめ賃貸業に関する多くの研修を続けてきたことがここに来て広く認知されました。なんといっても参加各社のトップが若いこと、実行力、高い問題意識、海外までを視野にした勉強、このパワーが財団かをきっかけにさらにアップされそうです。会員数も823社、年内には1000社に、さらに来年には1200社になる予定です。


家主〜入居者の悩み聞きます・・・
(財)日本賃貸住宅管理協会京都府支部(長田修支部長)がさる5月14日(月)午後4時からの京都市内の「ルビノ京都堀川」で支部設立総会を開催しました。財団法人化して初の総会だけに会員の37社の出席をはじめ、行政、警察、業界組織の代表、法曹界、デベロッパー、ゼネコン、マスコミなど多くの来賓があり期待と励ましの言葉が相次ぎました。財団かで社会的注目度が増え、一層の責任を担う会員各社ですが、発表した活動方針に沿って進む決意で一致しました。
要注、消費者契約法 -研修会-
毎回、総会のときに行われる「研修会」では、今年は4月1日から施行の新法律「消費者契約法」について御池総合法律事務所の弁護士である長野浩三氏が講演しました。この法律は4月1日以降に締結された事業者と消費者との契約のすべてに適用され、今後新たに契約を交わす場合、家主にとって損失が生じる場合が予測されます。家主をリードする管理会社としてたちまち仕事に直結する法律だけに勉強には絶好の企画でした。
入居者を誤認させて成約した場合には賃貸借契約を取り消される場合が生じる。つまり、法の目的が消費者の利益擁護をはかるものだからです。したがって、業者は明確かつ平易な配慮と充分な情報提供が必要となります。不適切な勧誘行為は契約効力の否定につながるものというものです。


顧問弁護士 田中 伸
消費者契約法が本年4月1日から施行されました。消費者契約法は、消費者と事業者との契約について、消費者に対し、無効または取り消しの主張できる場合を拡大して認めています。従前の原状回復特約が、消費者契約法十条に違反し、無効とされる裁判例が出されるのではないかと予想されています。未だ裁判例は出ていませんが、今後争いになることはほぼ確実です。つまり、従前は、自然損耗・経年変化・通常使用を超える回復についても、特約で借主に原状回復義務を認め、敷金から差し引いて請求していましたが、消費者契約法のもとではこの扱いが認められなくなる可能性が大となっています。これらの回復については、民法上貸主の修繕義務が定められていることから、「これらの回復を借主の負担とすることは、消費者契約法十条により無効であり、貸主は、たとえ契約書に、自然損耗・通常使用などの原状回復の特約を契約上定めても、借主の故意・過失による損傷部分の原状回復しか原状回復金を請求できない」と消費者側からは主張されています。今後貸主は、その対策をしておく必要があります。


「京都でこんな事件は残念」の声しきり
事件のあらまし・・・京都市内で主に学生向けの不動産仲介を行う業者が営業停止して敷金などが家主に渡らず、大学の新入生が入居できなくなる事件がおきました。倒産したのはレンタルハウスサービス(京都市左京区)でその被害は1億円を超そうかとという額に。地方から親も出てきて大きな騒ぎになり、刑事告訴の動きへと発展しています。
被害総額1億。事件の教訓
京都弁護士会が開いた被害者説明会を皮切りに、全日不動産協会京都本部の救済説明会、次いで被害者の会結成、被害者による業者組織、行政への救済働きかけと、「レンタルハウス倒産」における被害者や、関係者の行動は素早く、告訴騒ぎへと進んでいます。事件はテレビ、新聞でも再三取り上げられ、「こんなことが起きていいのか」「学生が気の毒」の声にあふれました。業界でも再発が起きないように行政、家主などと協力体制を検討。救済の輪も広がり、日管協京都支部でも会員37社が見舞金を送りました。



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財団法人日本賃貸住宅管理協会 京都府支部
発行者 長田 修
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