京漬物
漬物は野菜の端境期や冬期の保存用に塩漬けされたのに始まり、取り出して塩出しして調理した。奈良時代には既に味噌などに漬け、米や大豆を用いたものもあったが、そのまま食べるようになったのは鎌倉以後で禅宗の精進料理など主に寺院で食された。近世になると梅干や沢庵などが広まり、庶民の常食だった粥や茶漬けの副食として食生活に欠かせぬものとなった。京漬物は種類が多く、聖護院かぶらの千枚漬や上賀茂のすぐき、洛北大原の柴漬、菜の花漬けなど現在40種類以上がある。塩分が少ないことが特徴で、発酵による酸味を巧みに利用し、良質な京野菜と京の底冷えといわれる冬の気候によって生まれた。



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