京扇子
扇は平安時代に京都で創始されたといわれ、今も大半が京都で製作されている。当初は桧扇と呼ばれる桧の薄板を綴じたもので、現在の扇の原形となった。うちわの形をしたものは中国、東南アジアにもあったが、摺りたたむ形の扇は日本で生まれたものと考えられる。次いで竹と紙で出来た紙扇が作られ、時代と共に現在のような形となった。涼を呼ぶためだけでなく王朝貴族のアクセサリーとしても好まれ、また宮廷儀式をはじめ能、狂言、舞踊、茶席、香など幅広い用途で使用されたことから様々な京扇子が生まれていった。13世紀頃には中国へ輸出され、インドを経てヨーロッパにも伝えられた。近年は斬新なデザインも開発され、コンパクトに折り畳める機能性と合間って若い世代の間でも扇子が見直されている。

写真提供/宮脇賣扇庵





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