京くみひも
数十本の糸を一束として数束ずつ斜めに交差させて組んだ紐。京都は和装用の帯じめ、羽織ひも、宗教関係のひもなど77種を越える種類を生産、数の多さは用途の広さを物語っている。奈良時代に唐の技術を学び、平安時代に仏具、武具、衣類のひもとして発達。近世までは需要は公家や武家、社寺だったが、桃山以後庶民にも広まり、江戸時代には用途や組み方もさらに多様化。文化年間には糸仲間が成立、組屋や紐屋などの専業者も出現している。大正期には北白川や琵琶湖疎水の水力を使用した動力製紐も行った。第二次大戦後は機械化が進んだが、丸台、角台などいくつもの組台を使う手組みは、組みの途中で組み方を容易に変えることができ、独特の風合と雅さがある。
写真提供/安達くみひも館



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