京小紋
色無地に白で小さな文様を型染めする小紋染は16世紀末にほぼ完成されたと言われる。上杉謙信が着用した小紋の帷子や徳川家康が着用した胴服などが現存するが、江戸期には小紋柄は武家の紋所につぐ格式の文様とされ、特定の柄を定めて裃として使われた。一般の使用が禁じられた時期もあったが、後には民間にも広まった。渋い単色染めから出発した小紋だが、明治期に好みの変化や化学染料が輸入されたこともあって単色から彩色へと変化し、とりわけ京小紋は友禅染の影響を受けたこともあって独自の発展をとげた。友禅染と互いに刺激しあって技法を向上させ、絵画のような豊かな色彩や華やかなデザインを特徴とするようになった。
写真協力/毛利ゆき子



BACK