数珠
古来より京都の名産とされる数珠は仏教伝来と共に日本に入ったが、在家の仏教徒が広く持つようになったのは明治時代から。珠のひとつひとつに意味があり、つなぎ方にも仏教の深い哲理が込められている。宗派ごとにも形態が異なり、同じ宗派でも僧侶の使うもの、在家信徒の使うものとがある。さらに使う時や場所によっても細かに区別される。珠の数は基本は108個だが14個から1080個まで各種ある。仏教各宗派の本山が集まる京都が生産のほとんどを占める。珠は和泉市や近江八幡などほとんど京都以外の産地で作られ、職人は糸に珠を通し、房をつけるだけだが、数珠本体と房をつなぐ軸づくりは組みひもの技術、房は西陣で高度に発達した撚糸技術が駆使される。
写真協力/安田念珠店





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