表具師
紙、布、糊を使用して掛軸の表装、屏風、襖、障子の仕立てを行う職人。6世紀書画の保護と装飾を目的とした軸装が伝来。京都では平安時代から官製で和紙が漉かれ、諸国の良紙が集まり、西陣織の表具裂、金具細工など優秀な表具材料が豊富であった。また温度が高く風が弱いという風土的条件にも恵まれていた。さらに茶道の隆盛など貴族、寺社、武家、町衆それぞれの文化を生んだ日本文化の発信地でもあり、質の高い書画が揃う土地柄でもあったことから、表具は京都を中心に発展。京表具の技術は現在も古美術の修復、仏画表具、軸装、額装等に高い水準を誇っている。書画の保護や装飾に終わらず、作家の創作意欲を鼓舞させるような独創的な額装に取り組む表具師もある。

写真協力/清泉堂






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