広瀬治助(ひろせじすけ)
型友禅の創始者。少年の頃より友禅屋備後屋太兵衛で修業をつみ、同家の養子となって家業を継いだ。仕事熱心で工夫に冨み、挿し友禅屈指の名手として知られた。明治初期の博覧会に魚介の友禅を出品して京都府知事の激賞を受ける。当時京都府は舎密局を設立してドイツ人から化学染料を輸入、その染織技法を教授したが、広瀬は率先して指導を受け、新知識を学んだ。明治14年染料液と友禅糊を混合した色糊をつくり、型友禅写染を発明した。元々友禅染は手描染で、特定の人しか着用できない高級な着物を制作していたが、型染による写友禅の完成によって友禅着物の量産が可能になり、一般大衆の着物に華やかさを加えた。

写真提供/京都友禅協同組合





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