京仏壇

仏壇は仏像を安置する厨子が変化したもので、長く貴族や武士階級のものだったが、江戸時代の宗門改により広く一般にも普及した。各宗本山が集中し、工芸技術面も発達した京都は古くから仏壇製作の中心として最高の品質を誇った。江戸末期以後生産の分業化が進み、仏壇本体は木地師によって作られるが、屋根、須弥壇、内部の木彫などはそれぞれの専門の職人によって作られ、塗りと加飾の工程は蝋色師、蒔絵師、箔押師、青貝師などによって分業される。さらに錺師などによって作られた金具類を製造問屋が取り付けて完成する。各工程は木工芸、漆工芸、金属工芸などの高い技術によって成り立っており、その集大成としての仏壇は京都の伝統工芸の総合力を示すものである。
写真提供/若林佛具製作所



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