吉井勇(よしいいさむ)
東京芝高輪生まれ。早稲田大学を中退して明治38年「新詩社」に参加、「明星」に短歌を発表。森鴎外の「スバル」にも参加。北原白秋と共に耽美派の拠点となった「パンの会」を結成、明治42年には石川啄木と「スバル」を創刊した。明治43年処女歌集「酒ほがひ」、大正4年「祇園詩集」、6年「祇園双紙」などの歌集を次々と発表。祇園を風情を愛し、人生の哀歓を勇調と呼ばれる独特の語調で歌い上げたほか、小説、随筆、「伊勢物語」の現代語訳など他方面に活躍した。昭和30年古稀を祝って祇園元吉町の巽橋畔に歌碑が建てられ、毎年11月8日吉井を偲んで祇園新地甲部組合主催によるかにかくに祭が行われる。



都の人列伝