『伝統産業とデザイン』

 デザインの、意義が製品の付加価値に置かれるようになった今日、伝統工芸産業にも変化が現れている。かつてばモノの質的充実・形の改良という観点から伝統工芸の見直しが始められたが、現在、クラフトや伝統工芸だということ自体の付加価値にあぐらをかいていることは許されない。今後ユーザーにたいして生活の質的充実・ライフスタイルの創造・くらし方の提案なしでは今後伝統的工芸や生活用品のデザインは有り得ない状況にある。
木材はは建材として使えるまでに100年、竹は3年てある。森林伐採削減というエコロジー的観点から良責な質自然素材である竹を、インテリア用品の素材としてもっと見直すべきである、という観点から話を進めた。
竹素材の活用という面から、割裂性、弾力性、抗折・負担カ、抗座力・抗圧力、少伸縮性、空洞の利用性に優れた竹素材の材料特性とその用途を再確認し、以下の順序で竹工芸とインテリアの近代化の足跡を考察した。
1 奈良時代の法隆寺伝来の竹の厨子に始まり、正倉院に見られる筆、尺八、笛、笙・竿、華籠、などの紹介。
2 中世から近世の茶道具としての竹器の変遷として、茶人達の唐物趣味からわぴを中心とする和洋趣味ヘの移行時期(平安から鎌倉以降)の茶杓や茶筅、竹花入、籠花入などの展開また御簾、簾、などの展開の紹介。
3 近代から現代に至る竹工工芸作家作品.特にドイツの建築家ブルーノタウトが絶賛した飯塚琅餞斎を中心に紹介。
4. インテリアの近代化における竹数寄屋風を基調とする和風の近代化の試み、国策として輸出と産業の振興目的で作られた作られた工芸指導所等の製品開発や、日本近代調の竹を使ったデザインを紹介。
その後、良質な自然素材である竹の集成材をいかし異種素材と組み合わせ、現代生活にあった製品デザイン提案を行った実例として、「座る」生活を前提とした’くつろぎ’の空間に適した小家具、インテリア用品の開発事例を紹介した。
また、今回ウェルカムのイベントでも実施したが.竹筒に水を満たし、フローティングローソクを用いて幻想的なライティング・イベントを展開している,「竹遊び会」の活動や廃棄物としての竹を用いた竹炭作りの紹介.アウトドア生活に欠かせないご飯炊きやパン作り等、調理用器具として用いることのできる竹の使い方の紹介を行い、エコロジー的視点から良質な自然素材である竹の活用の可能性を探った。
参加者より竹の活用について発言が有り、報告者との間で積極的な意見交換がなされた。

リーダー:佐藤 敬二


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