◆京都インターネット利用研究会5月例会報告



開催日時 : 平成15年5月27日(火) 15:30〜18:30
開催場所 : マリアージュ(アバンティ8F)
基調講演
   京都府デジタル疎水ネットワークについて

     講師:京都府企画環境部企画参事  主幹 原田 智 氏

フリーディスカッション
   京都府デジタル疎水ネットワークへの期待

     司会:京都大学学術情報メディアセンター  教授 金澤 正憲 氏


現在のネット化の概況

○インターネットの普及が急速化→人口普及率50%/世帯普及率8割/従業員300人以上の
  企業において98.5%(ほぼすべての企業でインターネットを活用)・いまや仕事にも生活にも
  なくてはならないもの
○世界的にみても日本の普及率は10位(平成15年3月)
○拡大するブロードバンド(ヤフーBBなど、ブロードバンド接続料金の低下)

国のIT政策・1
 
○「IT基本法」(2000年12月)
○「IT基本戦略」e-Japan戦略(2001年1月)−5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指した
  国家戦略
 ・2005年までに3000万世帯が高速インターネットアクセス網、1000万世帯が超高速インターネット
  アクセス網(30M以上)に常時接続可能を目指す
 ・電子商取引の促進
 ・電子政府の実現
 ・人材育成の強化
○e-Japan重点計画(2001年3月、2002年6月)

国のIT政策・2

○電子政府・電子自治体推進プログラム(2001年10月)
 ・新しい行政サービスの将来イメージを提示
 ・取り組みスケジュールの全体像を整理・講評
○行政手続きオンライン化関係三法の成立(2002年12月)
○新IT基本戦略(2003年6月)
京都府の情報化の現状

 ・インターネットの世帯普及率全国3位(53.1%)
 ・ブロードバンドの世帯普及率は7.2%←低い(全国では8.2%)
 ・市町村レベルではかなりブロードバンド化が進んでいる

京都府の情報化の取り組み

○新京都府総合計画(平成13年1月)
 ・「誰もが実感」IT時代にふさわしい豊かな府民生活づくり
 ・「もっと身近に」より便利で参加しやすい電子府庁づくり
 ・「もっとむすび合う」情報通信ネットワークづくり

電子府庁の構築

 ・汎用受付システム 24時間どこからでも申請・届出・現在の状況の確認が可能
 ・許可証・受付証もネットを介して送付 ・府税の電子申告 電子調達 公金電子納付
 ・行政運営の高度化・効率化 統合型GIS(地図情報システム)の構築
 ・情報公開
 ・LGWAN(Local Government Wide Area Network)− 地方公共団体向け総合行政
  ネットワーク
  全ての地方公共団体間を相互に接続し、中央省庁のネットワークである「霞ケ関WAN」とも
  接続する総合行政ネットワークの名称)の整備
 ・既に実現済→ 申請書等のダウンロードのサービス 入札等の調査 職員採用試験の電子
  申請受付
  (郵便よりネット申込みの方が4倍)

デジタル疎水ネットワークについて・1

 ・これからの社会基盤としてデジタルネットワークが不可欠
 ・大容量の幹線整備(2.4ギガ)→ループ型幹線(災害などで一カ所が切れても逆回りするので安全)
 ・アクセスラインの整備→府内6カ所にアクセスポイント(NTT三条・園部・宇治・福知山・舞鶴・宮津)
  →どこでも同じ値段で利用可能
 ・京都大学・府内の大学・私立高校・養護学校と100M接続
 ・「新みらいネット」(教育系)
 ・平成15年度の事業→民間企業にも利用可能な環境の整備 防災・報道・病院 LGWANの整備
  →秋にはすべての市町村と接続 府庁WANの整備 本格運用(11月を予定)

デジタル疎水ネットワークについて・2

 ・教育関連の機関が多数参加→府内小中学校(市内除く)の7割が参加希望
 ・京都IXで京都ONEに接続
 ・学研都市の研究機関とも接続
 ・京都市内の主立ったデータセンターの接続
 ・幹線・支線はVLAN・MPLS・IP-VPN(物理回線としては2本の線を論理的に複数に
  分割して安全性を高める)などの技術でネットワークのセキュリティを確保

デジタル疎水ネットワーク・民間での活用例

 ・民間プロパイダから地域NOCにつないで民間企業でも活用可能
 ・地域NOCに直に企業からつないでも良い→会社のネットワークをLANとして利用可能
  (安価な値段でつくれる)
 ・本社からデータセンタに接続しデータを利用可能 ・京都IXから2回線インターネットに
  抜ける道を確保(疎水ネットワークとして)
  そのうちのひとつが(財)京都産業21京都メディアステーション(20Mで接続可)

今後の展開予定

 ・教育、学術研究、産業、医療、防災、行政等の府民生活に関わる幅広い分野のネットワーク化
 ・他府県の情報ハイウェイと接続し、より広域なネットワーク化の実現
 ・魅力ある地域づくり基盤として活用し、各分野の振興を図る