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タイトル 勝ち残りをかけた小売店、商店街の生き残り策
講 師

(有)池田経営デザイン研究所所長 池田安弘

●プロフィール
(社)中小企業診断協会正会員
神奈川県ボランタリーチェーン協会特別会員
平成2年11月(株)スリーエフ入社(コンビニエンスストアフランチャイズ本部)
平成5年7月池田経営デザイン研究室設立
専門分野/FC関連:本部システム構造指導、マニュアル作成、SV指導、加盟店希望者への情報提供

近い将来の労働人口の減少を予測して、ビジネスを考えよう

 今、我が国は高齢社会が問題となっていますが、実は、15歳以下の若年者が減少することの方が問題で、夫婦が少なくとも2人の子供を産まないと、2020年までに日本の人口は減少に向かう。それは、家計数が減って、マーケットが縮小に向かい、将来の社会を支える労働力が確実に不足するということです。

 現在、日本の社会はたいへんな失業率を抱えていますが、いま働いている人が定年退職した後、新しい労働力を補充しなくても企業が生産性を継続していけるのであれば何も問題はないんですが、実はそうではなく、働き手を必要としている。その働き手の数がどんどん減ってきていることが将来の大きな問題となるわけです。働けない人たち(高齢者)の数が増えて、働ける人(若年者)の数が減る。そういう社会を迎えるときに日本の産業はたちゆくんだろうかということを前提に、われわれはビジネスを考えていかなければいけない状況にたっているんです。

今はチャンスと危機が同居する時代社会の変化にともない、売り方も変えないと生き残れない

 このような高齢化の状況も、商店にとってはビジネスチャンスとなりうるんです。

 子供の数が減り、子供対象のビジネスが全部ダメになるわけではない。子供一人にかけるお金が増えてくる。子供の頭数に対しての商売、例えば学校の制服販売など、縮小するマーケットもある。しかし、子供一人にかける教育費も含めたトータルのマーケットサイズは逆に拡大している。それをどれだけビジネスに取り込むことができるか。それができるところには大きなビジネスチャンスがあるし、できずに従来どおりの売り方をしている店は危機的な状態になる。今、チャンスと危機が同居する時代に入っています。これが社会構造の変化にともない商売が変わらなければならない部分です。 

生き残りではなく、勝ち残り!戦わないで勝ち残る方法はない

 「戦わないで生き残る方法はないか」という質問がよくまいりますが、あらゆる商業・産業の中で、戦わないで生き残る方法は絶対にないんです。なぜなら企業は倒産するようにできている。存続するだけでコストがかかる、税金を払わなければいけない、生活費がかかる。だからかかるコスト以上のものを稼がなければならない。同じマーケットの中で、相手がもっと売ろうとしている以上、戦わないで勝ち残る方法はない。生き残りではなく、勝ち残らなければならないんです。実はこの勝ち残りということが、商店街、あるいは商店街の中で形成される任意グループの方たちが前向きに何か事業をやろうとするときに、最大の障害になるんです。

 商店街はいろいろな業種のみなさんの集まりです、同業者の方もいらっしゃいます。いくら仲のいい商店街であろうとも、実体としては全部競争相手。右隣が繁盛すると左隣の店がつぶれてしまうかもしれない関係でも、共同でやらなければ実現できないことがたくさんあります。「一緒にやろう」と議論を突き詰めていかないと事業は成功しない。それができるグループをもう一回再構成しないといけないんです。 

人が集まることと、消費とは別問題

 今の商店街を取り巻く環境ですが、確かに郊外型の大型の商業集積ができました。住宅街も郊外にできるようになり、今や駐車場がないとお客様が集まらないといわれていますが、本当にそうなのでしょうか。

 ある渋谷の有名なレストランは、一般住宅と同じつくりで看板もありません。当然、駐車場もないんですが、全国から多くのお客様がやってくる。お店に魅力があればお客様はハイヤーでやって来るんですね。

 例えば、日曜日に家族でどこかへ出掛ける、その“どこか”が問題。神奈川県の消費者団体が、「日曜日にどういうところに出掛けますか」というアンケートをとったんですが、『家族で楽しい所に出掛ける』という回答が一番多かった。その楽しい場所が、新しいショッピングセンターなんです。でも、そこに買い物に行くわけではなく、家族で時間を過ごすために行く。楽しい場所に人は多く集まるけれど、決してそれは消費にはつながらないんです。

 そんな中で、ものを売ることもできない、人を集めることもできなくなってしまった商店街がどうしたらいいのかというのがこれからの大きな課題です。

日本のショッピングセンターは怖くない!

 確かに日本も大型ショッピングセンターが増えてきました。アメリカの話になりますが、アメリカには戦前からショッピングセンターの歴史があって、最初に住宅街の回りにネバーフット型といわれている、スーパーマーケットと雑貨店等、いくつかの専門店がいっしょになった、生活を支えるための小さなショッピングセンターがまずできるんです。

 その後にもっと大きな、ディスカウントストアとかおもちゃ屋のパワーセンターなどが集積したようなショッピングセンターができてきますが、そこにはスーパーマーケットは入っていません。アメリカでは、ハードウエアを売るショッピングセンターと、毎日の生活を支えるスーパーマーケットは決して混在していないんです。それは、大根を買う動機とファッションを買う動機は全然違うからです。

 ところが日本は全部を混在させてしまっている。ですから今の日本のショッピングセンターは決して怖くない。戦えば絶対に勝てます。消費者が成熟し、目が厳しくなっている今、大根を買うようにはファッションを買わなくなってきているんです。

消費者の求めるものを売るように店を変えないと生き残れないのは当たり前

 もう一つは、アメリカでは郊外にいっぱいショッピングセンターができ“中心市街地の一般小売業は壊滅的な打撃を受けた”といわれていますが、実態は違います。アメリカでもローカル都市に行くと、中小小売店も立派に生き残り、活動しており、それから大都市近郊でたちゆかなくなった中小小売店は、ショッピングセンターの中で専門店として生き残っています。つまり方向性さえ間違わなければ一般の小売業がなくなることは絶対にない。

 但し、消費者が“もういらない、もう使わない商品やサービス”を売っているような業種がダメになるのは当たり前のことで、売る側は消費者が求めているものを売るように、売り方、店づくり、商品の構成等を変えていかなくてはいけない。変えられなかったお店の経営が立ちゆかなくなってしまうのは、経営者自身の責任で、誰にも助けることはできないんです。

中心市街地の再開発例

 アメリカでは、郊外に多くのショッピングセンターができて、中心市街地が荒廃し、商業集積がスラム化したんです。住む人がいなくなり地価が安くなったので、再開発して新しく大きなショッピングセンターをつくることができるようになった。実際、サンディエゴにあるのですが、商店街がそのままショッピングセンターになったようなオープンモールでは、常にイベントが行われ、すごく界隈性の高い町づくりをしています。また、コミュニティータウンとして急速に発展しているシカゴでは、空が1時間に24回、色が変わるというイベント性を持ったショッピングセンターができています。そういった界隈性を持った、昔の商店街をそのままバージョンアップしたような構造のものができて、多くの人を集めているんです。

 日本でも中心市街地活性化法をうまく活用して、新しい価値を消費者に提供できるような商店街づくりができるのではないかと考えています。ただし、そこに行き着くには商店街は一度死ななければならないかも知れませんが…。

お客様を共有できて初めて商店街としての機能をはたしていることになる

 空き店舗になって「商店街の魅力がなくなると困る」とおっしゃる方がいるかもしれませんが、実はあまり困らないんです。多くのお客様が来ているお店は、そのお店の力だからです。例えば、ある総菜屋さんではお昼に列ができている。でも三件隣の総菜屋さんにも同じように列ができているかといえば、そうじゃない。もし商店街としての機能が発揮されているのであれば、A店のお客様はB店、C店のお客様でなくてはならない。お客様を共有できて初めて商店街としての機能を果たしていることになる。本当に商店街としての機能を発揮させようと思うなら、個々のお店が顧客情報を出し合い、情報データベースを作って、「お客様が店に来てくれたら帰りに隣の店にも行ってくれるような商売の仕組みをみんなでつくらなければならないが、つくれない」とみなさん本心では思っているから、なかなか本式の事業に結びつかないんです。

 これが今の商店街、商業集積が抱えている最大の問題点。この問題を解決しない限り、商店街として生き残ることはできないと思います。

魅力のある店をつくれば、人は必ずやって来る!

 それでは、やる気のある人がこれから事業を展開できるような基盤をどうやってつくるか。それには、死んじゃう人には死んでもらって、生きていこうという人たちが商売をはじめやすいような環境をみんなでつくっていく。そうするとやる気のある人ばかりが集まった商店街がもう一回生まれるんじゃないかと思います。するとお客様は絶対戻ってきます。なぜなら、商店街のある場所は基本的に人が集まるいい場所なんです。なのになぜ人が来ないのか、それはお店に魅力がないからです。魅力のあるお店をつくれば絶対に人が来ます。そうした町づくり、人づくりをしていくことが大事です。

 今、どんどん力をつけて勝ち残っていく商店と、ダメになっていく商店が明確に分かれてきました。ある商店街が、売上高の成長組と減少組に分けてどこが違うかを検証して明確になったことは、減少組は商品構成を絞り込み、減らしていた。それから設備投資を減らし、人件費をカットした。要はコスト削減指向に入っている小売業はみんな売り上げが減少しているんです。

 成長組で明確なことは商品構成を広げ、中心となる商品を変え、売場を拡張し、支店を増やした。要は投資を増やしている。つまり、“成長しよう”と思っている人たちが成功しているということです。

やる気のある人が集まって取り組まないと新規事業は成功しない

 商店街は「10年、20年先もそこで商売をしていかなければならない」、「これから先も商売経営の規模を拡大していくんだ」という人たちが集まって新しい商店街形態をつくっていかない限り、未来はありません。

 最近の商店街の傾向として、共同宅配事業、こだわりの逸品事業、共同店舗の開発、情報発信の取り組みなどいろんなことが行われていますが、一つの大きな特徴は、全員参加型ではなくなってきていることです。現に各地で、異業種の交流会などで知り合った新しいグループが任意活動として事業を始める例がたくさん起きてきました。また、一つの業界の中でも、競合しないお店の方たちが集まってグループをつくるという動きが各地ででてきました。こういう取り組みをしていかないと、なかなか新規事業を立ち上げて成功させていくことは難しい。

 それには、半年から1年くらいかけて、もみにもみ、参加人数を3分の1まで減らすのが成功のポイントです。大きなリスクを犯しても一緒にやりたいという人が集まれば、事業は絶対に成功します。

 どうやって“本当にやる気のある人だけを集めて参加人数を減らすか”これが新しい事業の一つのポイントです。

●リスクの共有と絞り込みによる成功例

 これは成功の事例ですが、一昨年、横浜のある商店街で共同化をやりました。30人を11人に絞って、この共同化は1年でできました。11人がそれぞれ共同出資して株式会社をつくり共同店舗にしました。それぞれの店は資産管理会社として残ってますが、共同店舗は一つの株式会社が運営しています。成功した要因は30人から11人に絞り込んだこと。その分、一人あたり約3000万円の出資金を支払いリスクを背負っているわけですからみんな必死です。銀行で借りている人もいるので絶対に成功させなければならない。1年目は出費がかさみ赤字でしたが2年目からは大幅に黒字に転じました。今、年商約12億円のスーパーマーケットになっています。

 こういった形で、事業の開始前に参加者を絞り込んだものは比較的成功しています。

●やる気のある異業者の成功例

 ある横浜の商店街では、八百屋、魚屋、酒屋、薬屋など競合しない、同じ40代前半の異業種の方が7人で任意の団体をつくり、共同宅配会社をつくって成功しています。最初の十数人を約1年間揉んで7人に、そのうち当初からのメンバーは4人。入れ替わったんです。最後は、意見が合ってリスクを背負っても良いという人達でスタートしました。この事業はスタート時点から好調で、横浜市も費用の半額を補助金にしてあげようかとか、構造改善事業の指定として国税局からも保護してあげようか、というようなことが決まってきました。また、NTTのローカルネットワークを使った宅配事業の受注システムのモデルケースとして、地域の3000世帯に発注端末を取り付けて受発注センターで共同の受注をとる仕組みをつくることが決まりました。こうした取り組みが生まれてきております。

 成功の要因は、加盟している事業者が競合しないこと。競合しないから、売り上げをどうやって分けるかという議論をする必要がない。事業として成功すれば、必ずみんなの売り上げがあがってくるんです。

宅配事業は、魅力ある商品と売る能力をもち、やる気のある人たちが競合しないようにやること

 もう一つ、宅配事業で成功しているところは例外なく宅配料金を取っています。失敗しているところは面白いことに宅配料を取っていません。物販の付属として宅配に取り組んでいるところは成功することは難しいと言える。お客様に「送料500円を払ってでも届けてほしい」と思ってもらえるだけのサービスバリューをつけないと、送料がタダだからといって、カタログの商品やサービスに魅力がなければ注文してくれない。だから、売れる商品をもって、売る能力をもって、やる気のある方たちが集まって、競合しないように宅配事業をつくったほうが、成功率が高い。事業に参加できるのは小売業としても生き残っていける能力のあるところだけです。生き残れないお店が10店舗集まるより、生き残れるお店が3店舗集まったほうが、遙かに強い能力を発揮する。これが、今まで共同宅配事業に取り組んできて明確になったことです。

  まずは売れる商品、売れる店づくり、それをやってから宅配事業に入っていかなければならない。それには、まず自分の商売の見方を変えなくてはいけない。お客様に買っていただくためにはどうすればいいのかということを真剣に考えて、自分の仕入れの仕方、販売の仕方を変えていける人が集まらないと新しい事業は成功しません。

異業種の店が集まった共同事業の大型のスーパーマーケットならば自己負担が減らせる

 次に、共同店舗の話をしておきたいと思います。兵庫県西宮市の事例ですが、地元の魚屋や八百屋等45人がショッピングスーパーの高度化資金を利用して組合をつくり、公団アパートの下に600坪くらいのスーパーをつくりました。ポイントは、スーパーが共同事業だということです。ドラッグストアや生鮮食品店など異業種の店が集まって一つのスーパーマーケットになっている。今のPOS情報システムを使うと、お店の経営態が違ってもきちんと売り上げが分かるようになっているので、違う会社が集まって大型のスーパーマーケットを構成することができるんです。そして、共同で管理会社をつくり、大きな資金を受けてショッピングセンターの管理組合の形式をとれば、だいたい10億かかるショッピングセンターならば、自己負担が3億くらい減少します。

大型店に勝つには顧客情報を蓄積し、顧客一人ひとりにきめ細かい対応をすること

 今、スーパーマーケットの適正規模は500坪です。ドラッグストア、生鮮食品、総菜屋、クリーニングの取り次ぎ店など、ここに来れば日常的生活のものが全部揃う、そんなスーパーマーケットををつくればいいんです。そこが地域の消費者にとって便利な場所であるならば、大型の店舗に絶対負けません。

 絶対に負けない方法に、FSPといってお客様に接客カードを渡して情報を蓄積していく方法があります。一人ひとりのお客様が「何を買っているのか」という情報を蓄積して、その次に買う商品をコマーシャルする。こうしたことを丹念にやれば大型店には絶対負けません。なぜなら大型店はチェーン店なので全店が同じ取り組みをしなければならないからです。例えば、月に1回コーヒーを買うお客様がいたとすると、今度いつ買うか分かる。もしそのとき買わなければ、それは競合のコーヒー店で買ったということ。そしてそれを知ったときに、「どうするのか」を顧客一人ひとりについて考えていくんです。

 この方法は昔、“御用聞”という形でやっていたんです。「あの家はいつも○○を買ってくれるから…」と、御用聞の時にはどんな注文があるか予想して行ったものです。それをしなくなって、お客様が見えなくなってきたところに、大型店が大量に進出し急速に成長してきたので既存の小売店がたちゆかなくなってきた。ですから、もう一度お客様一人ひとりを見て商売する状況に戻さないといけないのです。

商品アイテムを絞り込んではダメ!大型店やコンビニにない商品をどれだけ増やすかがポイント

 コンビニエンスストアがなぜ売れるのかというと、あの小さなスペースに2700アイテムの商品が入っている。ところが同じ30坪のスペースに既存の小売業では1000アイテムくらと半分以下。24時間開いているからはやっているわけではなく、ほしい商品が既存小売店にはないからです。つまり品揃えを絞っては絶対ダメということです。むしろコンビニエンスストアや大型スーパーにない商品をどこまで増やすか、しかもコンビニエンスストアにある売れ筋商品を絶対持っているような店づくりをしない限りお客様は戻ってきません。

生き残りのコアを再発見し、いかに情報を伝えるかが大切

 つぎに顧客に自分のお店の情報や、量販店と違う価値をどうやって伝えていくか。その情報提供手段がインターネット、ローカルケーブルテレビ、地域コミュニティーの活用であり、これらを使いこなすことが重要になってきています。

 例えば、自転車屋さんは、「自転車がこだわりの逸品にならない」と思われるでしょうが、それがこだわりの逸品になるんです。なぜかというと、今、自転車の消費量の7割くらいは、東南アジアからの輸入を中心に、ディスカウントショップで9000円台〜13千円台で販売されたものが大半を占めています。その中で、成功しているところは、国産メーカーの自転車を売っている店か受注センターです。国産メーカーを売る自転車屋さんのどこが優れているか。自転車はメンテナンスが必要な商品であり、メンテナンスを確実に引き受けることです。もう一つは、国産の自転車は丈夫で錆びにくい。そういった差別化をきちんとアピールできること。自転車はまず子どもが乗ります。一人の子どもにかける金額はこれからどんどん増え、より安全で乗りやすい自転車を2万円払ってでも買ってやれる親たち。また、年金で豊かに暮らしているおじいちゃんおばあちゃんが、安全な自転車をかわいい孫たちにプレゼントするという消費形態になるんです。これが高齢化社会の実相なんです。

 今後、生き残るためのコアになる部分がなんなのかということをもう一度再発見して、その再発見した情報を上手に消費者に提供していく手段を自分で作らない限り、新しいマーケットを開いていくことはできません。

売っている商品が同じである以上、お客様のニーズに合わせ、売り方を変えるしかない

 薬屋さんでもそうです。スーパーマーケットのドラッグストアと町の薬屋さんとどう差別化するかを自分自身で考えていかなければならない。

 例えば『リポビタンD』は駅の売店では売れ筋商品です。薬屋さんでは安い店で198円、それがコンビニでは大体140円。こちらも売れています。だから実際、売れる売れないは値段だけじゃないんです。ならば薬屋さんは、他店との違いを発見してそれを消費者に伝えていかなければ生き残れません。つまり商売のやり方を変えること。今までの発想でやっていてはダメです。コンビニで買うのと薬屋さんで買うのと商品はまったく同じだから何かを変えるんです。店舗空間の有効活用や接客や健康アドバイス等のプラス、サービスを付加するなど、売っている商品が同じである以上、コンビニより豊富な品揃えと、コンビニよりももっと便利な店をつくらない限り、生き残っていけないということです。

共同化をも視野に入れて

 より便利な売り方を提供するためにどうするかというところですが、どこで買っても同じ商品ならお客様は必ず便利なところで買います。思うほど値段の力は強くないんです。アンケートで、商品購入の最大の理由を「値段」と答える人は2割くらい。この人たちは安ければ買っていきます。でも残りの8割の人は「近くて便利なところ」、「買いやすいところ」、「商品の品質がいい」という理由で選んでいます。既存の小売業、商店街に人が来ないのは、それらのニーズに合ってないということです。「遠いから」、「気持ちよくないから」、「便利じゃないから」、「欲しい商品がないから」という理由を改善しなければなりません。

 それ故に、個店単独では活性化を図りにくいから、商店街として共同化に取り組まなければならない必然性が出てくる。決して今の商店街活動の中で「みんながまとまってやろう」ということではなく、やる気のある方が集まって共同化事業を立ち上げるということです。

 商店街の中で56軒の異業種の仲間が集まり250坪くらいの店づくりをしたら、絶対にコンビニに負けないくらい繁盛します。坪当たり80アイテムの商品を置いたとしても2万アイテム以上の品揃えができるんです。35千アイテムくらい品揃えができれば、日常的な消費生活をおおむねカバーできる。生鮮食品や雑貨も豊富な品揃えができると、地域の人たちはわざわざ遠くに買い物に出掛ける必要がなくなるわけです。これが目的買いによるディストレーション、品揃えによるディストレーションです。これをやろうというときに共同化という強い目的意識が出てくるんです。地域社会との関連性にもぜひ取り組んで欲しいと思います。(平成11年5月26日講演より)


講 師
有限会社池田経営デザイン研究所 所長
中小企業診断士 池田安弘
電 話
042−732−1417
FAX
042−732−1417
e-mail
y.ikeda@gem.bekkoame.ne.jp

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