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| タイトル | 「インターネットで街おこし」 〜インターネット通販やインターネットビジネスの最新情報を語る〜 | |
| 講 師 | (有)ジャパンサーチエンジン 代表取締役 甲斐真樹氏 |
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1970年大阪府に生まれる。1994年同志社大学経済学部を卒業。1996年5月に日本初の検索エンジンサービスを行う有限会社ジャパンサーチエンジンを設立。 | |
| 情報発信のあり方が変化 情報を見たらお金がもらえるサービスも登場 インターネットが有名になって2年あまり、誰でも、どこからでも情報発信できるので、「とにかく情報発信しよう」という気持ちだけでやってきましたが、そろそろ情報の選別の時代に入ってきてると思います。特に98年になって人気のある情報とそうでない情報の選別が進んでくる。それを踏まえて、どういうことが行われるか解説したいと思います。 まずホームページ情報を無料配信している『YAHOO!(ヤフー)』ですが、最初はホームページの検索情報だけでしたが、テレビ番組情報やスポーツ、天気予報などアクセスを増やすためにいろいろなコンテンツを扱い、総合メディアのサイトになってアクセスが1日750万を超えたということです。収益は広告でまかない、ユーザーにはすべて無料でというスタンスをずっと取ってきたんですが、今年に入って有料化を目指すようになってきました。 増えた情報を個人に合った情報として選別して配信し、選別手数料としてお金を取ろうと動き始めました。そのきっかけとして、プロバイダーとの提携や『YAHOO!』自身がメールアドレスを発行したり、『YAHOO!』の中で※チャットができるとか、パソコン通信会社ニフティのようなサービスを始めています。これが大きな流れじゃないかと思います。 (*チャット…画面上で複数の人とリアタイムなメッセージ交換ができる) excite(エキサイト)という検索エンジン会社が『YAHOO!』に追随し、他にも世界で1千万人の会員を持つパソコン通信会社アメリカオンラインが映画情報や日々のニュースなどを有料で配信しています。『YAHOO!』も無料でやるには限界があって、より質の高い情報を出すためにはお金を取ってでも配信する。そういったところが最近の動きでしょうか。 また、ユーザーの方もお金を払うことに抵抗がなくなり、電子決済の普及などが後押しして『YAHOO!』の有料化を進めていくんじゃないかと思います。 一方、NHKやCATV(ケーブルテレビ)などは、見たら受信料を払うのが当たり前だったんですが、サイバーゴールド社が「情報を見たら、その時にお金をもらえる」というサービスを始めました。 例えば化粧品の項目はアメリカの化粧品会社が提供した情報で、ユーザーは情報として得るんですが、会社にとっては広告なんです。広告ですから化粧品会社はサイバーゴールド社にお金を払い、その一部をユーザーに還元する。こうすることによって情報とお金をもらうことを同時に達成させたんです。『YAHOO!』の有料化への動きとは対照的に、情報は無料でさらにお金をもらえるところまできている。新聞社や雑誌社には紙を印刷するコストが発生しますが、インターネットはサーバー1台たてたら、編集者などの人件費は発生しても配信や印刷物を作るコストは発生しませんから、こういうことが可能になっています。今後は有料のコンテンツと情報を発信する側が、見てもらった見返りにお金を配るコンテンツができると思われます。 受信端末が多様化し家電に関するものすべてが インターネットとつながる時代がやってきた 〜インターネットつき冷蔵庫など、 生活密着情報を家庭に向かって発信する道が開かれる〜 『Jフォン』の携帯端末が発売され、情報を発信した瞬間に相手が電子メールを受け取れるようになり非常に便利です。表示枠が限られてますから、電子メールのように長々と書くと見にくい欠点もあるんですが、業務上の連絡には問題なく、携帯電話でインターネットができるようになったのはありがたいなと思っています。 それ以外にもPDA(携帯情報端末)、『ザウルス』が代表的ですが、カーナビゲーションやテレビ、家電に関するものはすべてインターネットとつながる時代がやってきました。シャープがインターネットのついた冷蔵庫を発表しましたが、冷蔵庫にモニターがつき、自治体が回覧板で回すような情報を台所で見るとか、レシピを選択するという使い方があります。これまでインターネット=コンピュータだったんですが、家電すべてにインターネットがつながって、ネットワークなしには家電製品は存在し得ないという時代が本当にやってくるんじゃないかといわれています。 情報がいろいろな媒体から出て行くようになると、それぞれの媒体に合わせた情報を発信していかなければならないことになります。発信する側にとってはすごく手間になりますが、真剣にやってる人にはすごいチャンスになると思います。冷蔵庫にインターネットがつながっていれば、それに向けた情報の発信方法がある。商店街の方々でしたら、今日取れた新鮮な魚や野菜の情報を家庭に向けて発信するなど、使い分けをうまく活用することによって、有効な発信方法ができるんじゃないか。そういった時代が今日の状況なので、本当に頑張ってもらいたいと思います。 カーナビゲーションに関しては、例えば田中さんの家に行きたいと思うと田中さんに連絡をとる。田中さんは「じゃあメールで自分の家の場所を教えます」と電子メールを送る。メールが届くとカーナビの地図の中に田中さんの家が点滅するということになるらしいんです。その周辺のおいしいレストランも、トヨタや日産の場合だとセンターに連絡するとオペレーターが案内してくれる。来年ぐらいにはこれが一般的になるでしょうから、これをうまく活用するレストランやスーパー、商店街が出てくると思うので面白いと思います。 ネットスケープの新戦略とマイクロソフトに注目 ネットスケープがつぶれそうだという噂が昨年の中頃から出て、実際に第四半期には大赤字を出し、今後どうするかという時にソフトの自社開発をやめる戦略をとりました。ソフトのソースといわれる企業秘密の部分をインターネット上に公開し、インターネットに存在するボランティアのソフト開発者に新しい使い方をみつけてもらい、バージョンアップをいろいろなところでやってもらって、彼らが発案した中で一番良いと思われるものを選択し、それを次世代のバージョンにする。 これまで自社開発が一般的で、ソフトのソースを公開するという考え方は度肝を抜くアイデアだったんですが、これがどうなるかアナリストが注目しており、「インターネット上でどこの誰だかわからない者が開発したものをちゃんとした会社が使うはずがない。そんなソフトの開発の仕方はだめだ」という人も多いんですが、インターネットのサーバーを構築するためのOS(オペレーティングシステム)の二大勢力のひとつ、UNIXはほどんどボランティアによって成立しています。インターネット上にほとんど公開され、世界の学生や学者が作っているソフトです。 サーバーソフトもほとんどボランティアで作られ、『Apache(アパッチ)』というサーバーソフトは全世界のサーバーの4割を占めてます。世界のどこかでバージョンアップされ、それを『Apache』のボランティアの協会が公式バージョンだと発表するのを我々が使ってますが、全然問題ないんです。すごく信頼性のあるソフトで、市販されているWindousNTの動くサーバーよりも非常に安定していて、バグ(ソフト上のミス)が発見されたら、その日のうちにグレードアップされる。そういうボランティアを使ってソフトを開発しようというのがネットスケープの戦略で、これによってネットスケープのバージョンのカーナビ版とか、携帯電話版などの開発になるんじゃないかと思います。ブラウザーの自社開発放棄はユーザーから見れば非常にありがたい出来事だと思います。 次にマイクロソフトの動向ですが、株価も上がり利益も相当の金額が上がったようですが、その立役者になったのがWindows95とNT4.0。そしてインターネットエクスプローラーのシェアが5割に近づくなどユーザーに浸透し、ソフトだけでなくコンテンツ、娯楽情報やニュースも扱い始めて総合メディア産業になってきました。カーナビにもWindowsが乗りましたし、テレビにも乗るでしょう。Windowsなしには次世代の情報基盤が成立しない状況が近づいているようです。 綾部市で開催された交流会で、『PointCast(ポイントキャスト)』というプッシュ型サービスをご紹介しました。ブラウザーがクリックして初めて情報を得られるのに対して、黙っていても情報が送られてくるサービスが増え、今後台風の目になるという話をしたんですが、企業ではどんどんLANがつながってきて、インターネットのユーザーも企業からの接続がほとんどです。 市町村役場の住民関連事務を インターネット活用で 地域の情報をどうインターネットに活用したらよいかですが、まだ地域情報を発信している所は日本にはありません。地元情報はあっても本当の意味でインターネットを生活基盤にして、インフラとして活用している所はまだないと言ってよいと思います。岡山県が実験的に住民票や役所の書類を取りに行く手間を省き、ネットで配信したり、在宅医療に活用しているようですが、インターネットだけでなく、CATVなども活用しているようです。 海外に目を向けると、カリフォルニア州のシリコンバレーでインターネットを活用して地元情報を発信しています。地方の役所がするような仕事もインターネットを使って行い、かなり成功しているという記事を見ました。 もともとは、単に地元情報を並べているだけだったんですが、アクセスが増えないのでまわりの市町村と組んで、その一帯のどこからでも市役所の住民票などを閲覧できるようにしたところアクセスが飛躍的に増え、今ではそれなしでは生活が不便になるほどです。実際に家からそういった資料が取れればありがたいです。1日仕事を休んで役所に行かなくてはいけない、ということがなくなりますから。インターネットがこのように使われると地域情報として活用されると思います。 人間行動に合わないショッピングモールではだめ、 売る努力は個性のあるホームページづくりで 次に通販の話をしますと、パソコンメーカーやクレジットカードを発行している会社が将来に向けてオンラインショッピングモールをやってるそうですが、成功していない。参加企業にとっては大赤字で、どうなってるんだということになるでしょうが、ホームページを見ると何故売れないか一目瞭然です。要は人間行動に合わない、生活に合わない形で発信してるんです。モール名を検索エンジンに登録してるんですが、でも、ユーザーがオンラインでショッピングしようと思った時に最初に思い浮かぶのはモール名じゃ絶対ないんです。普通は商品名です、欲しいものです。それなのにモール名しか入れていない。そこから変えなければならないのに全然気がついていない。Tシャツが欲しい時に、服とか衣料とかが思い浮かぶはずないのに「衣料品扱ってます」と書いてしまう。その結果として売れていないショッピングモールが相当あります。 その中で『楽天市場』は非常に売れてるようです。ここはそれぞれの店の独自性にかなり力を入れ、デザインも各店の運営者で扱えるようにしてあるそうです。要はモールに入っている各店の独自の力を活かしきる仕組みで作られているからです。 モールの役割は、ページ制作、サーバーの運営、宣伝、次に決済、そして物流とあるそうです。これまでモールがやってくれたことは制作、運営、宣伝まで。決済と物流はこれから、今年からの話です。大手のモールは制作、運営、宣伝をやってくれて、運営者側にとって楽だったんですが、その結果として個性のないページがそのモールにぶら下がることになったんです。いつまでたっても商品が新しくならないモールとか、商品数も少ないモールがどんどん出てしまっています。 『楽天市場』はサーバーの運営とPR専門で、ページ制作は自分たちでやってくださいということにした。オンラインのページは凝る必要はないですが、個性を出さないといけない。それが出せるのでモールにしては比較的売れてるページになったのだと思います。 運営者側にとってモールはありがたみがあると思うんです。ひとつのページを開くために1台のサーバーを開いて、もちろん趣味程度で運営している個人商店は売り上げ自体もそんなに大きくならないですから、プロバイダーのサーバーのほうにホームページを入れておけば大丈夫だと思うんですが、インターネット通販で生計を立てるぐらいの規模になると、また何千万、何億円と売上をあげていこうとすると、毎日届くメールの数だけでもとんでもない数になるので、自社サーバーを考えなきゃいけない。そのためにサーバーを立てて運営者を雇ってると月々に何百万とかかりますから、モールに頼った方が良いんじゃないかと思います。 PRはモールでもやってくれますが、自分たちの個性を出すためには自分たちでやるべきだと思います。 そしてこれから先の話なんですが、決済機能、物流機能がモールについてくる。今年に入っていろんな団体の企画がまとまりつつあって、実用化の段階に入ってます。カード会社も力を入れていますから、電子決済が進んでくると思います。ただ決済のシステムを自社のサーバーに用意したり、ホームページに用意するのは大変なので、それはモールにやってもらったほうが良いんじゃないかと思います。物流については企業によると思うので、それぞれに合わせてもらったら良いんですが、決済とサーバーの管理はモールに頼って、後は自分たちの個性でやっていけば良い。おそらく『楽天市場』もそういった視点を大切にされてますから、これからも人気のショッピングモールになると思います。 商品プラスアドバイスが手に入るモールが 人気です 個性という部分で、元気な個性店を紹介しておきます。インターネット界で有名なショッピングサイトの運営者が集まって、『IPPIN』というモールを作ったんです。これがかなり成功しています。ここには人気のショッピングサイトが入ってますが、コンセプトが非常に面白く「普通の店で買う=商品が手に入る。IPPINで買う=最高の商品とアドバイスが手に入る」。すごくわかりやすい。アドバイスが手に入るんです、ここでは。 実際に買うとその商品がどれくらい良いかといううんちくがついてくるんです。ユーザーにとって他の店で買うことと、ここのモールで買うことの差別化がはっきりとわかるように提案されている。それによって、こだわりを大事にする方には何ともいえないありがたみのあるページになっている。 ここでは、ショッピングホームページの預かりは一応ホームページ上でやっていますが、そんな複雑な機能はありません。決済機能も複雑ではなく、単にこのコンセプトを売っている。こういうページは面白いと思います。単純に商品、お店がズラーッと入って、その店の商品が検索できるというよりも、例えば、「北丹後の雰囲気を売る」というコンセプトでモールを作ってみるとお客さんもわかりやすいと思うんです。「舞鶴」といってもイメージするものが限られてる人にとって、イメージをホームページ上でわかりやすく膨らませるものを提案してくれたら買ってみる気になるんじゃないかと。モールは雑誌でいろいろ紹介され注目されてますから、コンセプトを売るのは面白いと思います。 『IPPIN』の中のTシャツの『イージー』さん。このお店は、非常に売れてます。なぜここが売れてるかというと、非常にうんちくが多く、情報も常に更新されている。いつも更新されているとなんとなくお店に人がいるという感じがして、安心感があると思うんです。昨年末から店員さんの日記コーナーも始まり、店員さんが日頃感じている何げないものを紹介しているんですが、店員さんに対して愛着もわき、インターネットなのにアナログなことを大事にしてるページです。 誰でもどこからでも簡単にアクセスできるので、悪い点としては相手が信用できないということがあると思うんです。見るだけなら良いんですが、実際にお金を払うとなるとこわい部分がある。ここは、そのこわい部分に一番力を入れていて、自分たちがまじめに商売してますということをこのページ上で毎日更新しながらアピールしています。 それによってアクセスが1日に120〜150件あり、そのうちの半分がお客さんになるらしいんです。ある通りに1時間に10人の人が通って、そのうち5人がお客さんとして買っていったとしたらこわい話なんですが、実際にインターネット上でこういう話が起きている。それは何故かというと、安心でき、ちょっとのぞいて買おうという気になるからだと思うんです。リピーターが多くなり、そうなることで会社も安定し、非常に成功されています。 独自の生活スタイルを提案し「生き残れる2社まで」を確保しよう 『イージー』『紀伊國屋書店』『村上春樹屋』『DELL』 『イージー』のかたが「その分野で生き残るのは2社まで」とおっしゃってました。2社までというのはこれから始める方にとってはこわい話で、「今、やらなければもうチャンスはない」ともおっしゃっていましたが、これからインターネットが普及すると生活スタイルが変わってくると思います。例えばTシャツであれば、コンセプトがTシャツで2社までになるんですが、『IPPIN』のようにコンセプトを売る、アドバイスを売るという考え方を新しくつくると、また2社の枠が空くんです。そういう活路はあると思うので、よく頭を使ってやれば多少遅れても大丈夫だと思います。 2社までという例がもう既にできていて、オンラインで本が買えるんですが、ほとんど『紀伊國屋書店』の独占状態に入ってます。会費がいるんですが、売り上げは集中しています。なぜかというと、やはりユーザーの立場に立っていて、本屋で書籍の一覧表を見せられても仕方がない。手にとってデザインとか表紙とか見て買う、それをここはすごく重視して、めんどくさいけれど本をスキャナーで画像にしてホームページに貼り付け、実際にお客さんが書店で買ってるような状況をつくった結果、信用がどんどん高まって売り上げが伸び、インターネットの本屋といえば『紀伊國屋』になった。2社ということで、もう1社の『丸善』がここの半分ぐらいで後はもうないんです。 ただ、本の量がたくさんある本屋は『紀伊國屋』なんですが、それ以外のコンセプトを立てようと思えば立てられるんです。京都の書店で『村上春樹屋』をつくったところがあります。村上春樹の本はもちろん、彼の本の中に出てくるジャズのCDを並べたり、料理を並べたり、関連するものを全部集めたらしいんです。村上春樹が好きな人にとってはもう、そこ!なんです。その分野で生き残るのは2社までという話を裏返せば、新しい分野をつくればよいんだと考えてやったらいいんじゃないかと思います。 他に通販サイトで、コンピューター屋の『DELL(デル)』という所があるんですが、1日日本だけで5,000万円、月に15億円売ってるそうです。 オンラインで見積もりが立てられ、必要な状況を想定すれば金額がすぐわかります。例えばCPUをもう少し良いものに変えようと思ってクリックすると、表示金額が変わる。日本橋に行ったり、秋葉原に行ったりする手間もなく、おそらくこちらのほうが安いでしょう。アメリカとデータベースが直結しているようで、オーダーするとアメリカに情報が行き、アメリカから生産地のシンガポールに情報が行って、シンガポールから船便でやってくるシステムができているようです。 ただ、これができるのは大手の企業だけですから、これを真似する必要は全然ないと思います。それより自分の考えた「これから便利になるんじゃないか」という生活スタイルを実際にホームページ上でうまく表現して、自分の分野をつくってしまう。自分自身の好みをしっかり表現できたら、必ず自分に似た趣味趣向の人が何人かいます。その人たちを確実につかまえて販売し、その分野で生き残る2社までを確保すれば、インターネットの商売は確立すれば世界がマーケットになりますから頑張れるんじゃないか。頑張ればショッピングの分野で生き残ることは可能だと思います。 |
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講 師 |
(株)イー・エージェンシー 代表取締役社長 甲斐真樹氏 |
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