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社員の豊富な商品知識で、新たなライフスタイルを提案
宇治市内の閑静な住宅街の一角に店を構える『てくのハウスMAKINO』。基本戦略の一つ目が提案型で、それを支えているのが、社員1人1人の豊富な商品知識だ。メーカー担当者を交えて、社員全員で販売商品の使用方法から技術的なことまで徹底的に勉強する。ときには工場に出かけて実地研修を行うこともある。79,800円のテレビを買いに来られたお客さんが、店頭でのきめ細やかな説明に満足してなんと10倍もする798,000円のプラズマテレビを購入された事例もあるという。
また、得意客に対して各種の大型家電製品を一定期間無償で貸し出している。そのまま成約に結びつく確率は実に8割以上。お客さんに商品の利便性や機能、生活充足感や喜びを実際に肌で感じてもらうことで、購買意欲を高めることに成功している。
売りたい商品を徹底的に特化して、一品集中キャンペーン
二つ目の戦略は、キャンペーンでの大量販売。「地域店は小さな大型店」と牧野氏が話すように、約3カ月に一度、特定の商品に的を絞って集中的に販売を行っている。大型店でさえ1カ月平均3台の販売がやっとといわれる大型冷蔵庫を、今年の5〜6月のわずか2カ月間でなんと92台も販売した実績がある。それは、いろいろな商品を店頭にまんべんなく並べるのではなく、例えば冷蔵庫なら8台、電気温水洗浄便座なら10台、エアコンなら25台というように、キャンペーン期間中に売りたい商品を大量展示し、お客さんに積極的に提案することによって、新たなニーズやウォンツの掘り起こしにもつながるのだという。
御用聞きに徹すれば、個客のニーズが見えてくる
1976年の開業以来、地域を1軒1軒訪ね歩いて開拓した得意先は約2,500所帯。優良顧客に対しては、2カ月に一度、営業社員が必ず顔を出して、アフターサービスはもちろん、新製品の案内などをこまめに行っている。こうした“御用聞き”で吸い上げた情報をもとに、例えば「冷蔵庫を10年以上使用している顧客」「エアコンの買い替えを検討している顧客」というように細かく分析することによって、新たな営業戦略やキャンペーン方針が見えてくるのだという。
「客の好むものを売るな。客のためになるものを売れ」。牧野氏は、故・松下幸之助の言葉を座右の銘としている。利益を優先的に考えるのではなく、お客さんのライフスタイルに合わせた個別提案型の姿勢がリピーターの獲得につながっている。
個客別の親身な提案から売れる仕組みを考案せよ
家電製品の販売だけでなく、住宅の増改築事業にも力を注いでいる。最近の新築物件は照明器具やキッチン家電、空調機器まで標準装備されていることが多く、地域の電器店が参入する余地が少ない。「それなら自分たちでセット販売の仕組みをつくるしかない」と牧野氏。手すりの設置から大規模なリフォームまで幅広く手がけ、今では年間売上高のおよそ3分の1を占めるようになったという。
きめ細やかな「提案販売」とキャンペーンによる「集中販売」の両輪で付加価値を高める『てくのハウスMAKINO』。地域店ならではの“得意客を知りつくした”経営戦略が成功の大きな要因といえるだろう。
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