HOME | ビデオ講座空店舗繁盛店情報誌京の商店街・グループ業務内容春夏冬名店街リンク




染料
田中直染料店

染料への思い入れとこだわり
個客視点で染めのバリアフリー化へ


社長 店主の横顔
田中直輔さん 41才
【趣味】 人と出会うこと
【経営理念】染色のバリアフリーを目指す
【今後の取り組み】
草木染めという“コアコンピタンス”(中核的分野の強み)を守りながらも、時代のニーズを取り入れた商品開発・経営システムを考えていく。環境に配慮した家庭用染色廃液処理剤の開発、インターネット販売の充実、人と人とのつながりを重視した講習会の開催などを継続実践していく。

伝統の植物染料にこだわり続け、染色愛好家たちからの注目のマト
店内1 創業は享保年間で、京都でも随一の老舗染料屋が『田中直染料店』。各種染料はもちろん、染め生地や型紙、はけ、計量器など“染め”に関するさまざまな材料を取り扱っている。「うちがこだわるのは、なんといっても植物染料(草木染め)なんです」と9代目を継いだ田中氏。紅花やインド藍、うこん、くちなし、初代からの扱い商品、木附子(五倍子)など、プロをうならせるような本格的染料を豊富に取り揃えているのが大きな魅力だ。
 化学染料の登場により、染めに手間ひまのかかる植物染料は徐々に市場から姿を消しつつある。しかし、同店ではあえて伝統商材にこだわり続けることで、商材そのものに希少価値を生み出し、全国の染色愛好家たちの注目を得ることに成功したのだ。

“個店”を“古典”のまま終わらせるな
 伝統商材だけでなく、さまざまな新規商品の開発にも取り組んでいる。例えば、複雑な工程を経なくても1回の染めでムラなく染色できる「濃紺(中色)藍染めセット」、染料の煮出しが簡単にできる「植物煮出しパック」など、他店ではめったにお目にかかれないオリジナル商品も多い。また最近では、染料で手や爪を汚さないように、ビニール袋の中に生地や染料を封入して染色する「おりがみ絞り用染色パック」を商品化。染色に汚れはつきものという概念を払拭し、「いつでも」「どこでも」「誰にでも」できる、染色技法を開発中。
 「革新を続けなければ伝統は守れない」と田中氏。店頭やインターネットなどから吸い上げたお客さまの意見を積極的に検討し、それを商品開発にうまく反映させることによって、ヒット商品を生み出しているのだ。

教えることは教わること。商品熟知が顧客満足を得る
店内2 人材育成の方法もユニークだ。同店では、月に2回程度「藍染め講習会」を開催しているが、その講師はなんと入社間もない若手社員がつとめる。講師として教壇に立つ以上、染色知識・技術が必要とされるのはもちろん、いかにお客さまに満足していただけるのか、その接客力や説明力、指導力などが試される。お客さまの質問や要望に、顔に汗して応えていくことで、新たな創意工夫が生まれるのだという。
 もう一つ、自社研究室で開発された染料や薬品などはすべて社員に無料で開放している。「知識だけ詰め込んでもダメ。実際に自分で染めてみなければお客さまにご理解いただける説明ができない」。そのうえに、社員1人1人が自社商品をすみずみまで知りつくしているからこそ、きめ細やかな個客対応が可能になるのだと田中氏は言う。

トップが率先して行動しなければ、社員はついてこない!
 田中氏は、時間さえあれば外部のセミナーや講演会などに積極的に参加するという。「自分たちが常識だと思っていることが、本当に正しいことなのか。異業種交流をすることによって、軌道修正をすることができる」と田中氏。経営トップが目的意識を明確にし、率先して自己啓発に努めなければ社員はついてこないと話す。
 創業270年の伝統の上にあぐらをかくのではなく、革新を繰り返すことによって老舗ののれんを守り続けてきた『田中直染料店』。“いとへん”業界の不振が続く中で、お客さまのニーズに合わせた商品開発、そして社員のモチベーション(志気)を高める実践的な人材育成、これらが相まってうまく機能したことが成功につながったのだろう。


店外観 (株)田中直染料店
今では入手しにくくなった植物染料を中心に、さまざまな染色材料を取り扱う。各種染色講習会を開催しているほか、関連会社の「(株)染織と生活社」では染織専門書を発行する。

■創業/1733年(享保18年)
■社員数/46名
■京都市下京区松原通烏丸西入
■TEL/075-351-0667
■FAX/075-351-4488
■フリーダイヤル/0120-70-4116
■営業時間//午前9時〜午後5時
■定休日/第3土曜、日曜、祭日
■URL  http://www.tanaka-nao.co.jp/
■E-mail info@tanaka-nao.co.jp
■東京・渋谷店あり



<< 繁盛店トップページへ

<< HOMEページへ