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店主の横顔 鈴木基一さん 53才 【趣味】仕事、飲み歩き 【経営理念】人生も仕事も大いに楽しむこと 【今後の取り組み】 石油エネルギーに依存した大量生産・大量消費の時代は終わり、これからは環境に配慮した紙と木の時代。日本の伝統文化や技術を掘り起こし、後世にも伝わる商売を続けていきたい。社会に必要とされる企業こそ、老舗として生き残ることができると信じている。 |
お客さまの意見や要望が次の売れ筋商品につながる 創業以来、紙一筋に110年ののれんを守ってきた『鈴木松風堂』。壁紙やカーテン、パッケージ、置物など、100%再生紙で作られたアイテムを数百種類も用意する。「“こんな商品があったらいいな”というのが発想の源」と鈴木さん。例えば、単身赴任者のニーズから生まれたのが、段ボールを利用した組立式のデザインベッドだ。軽いので持ち運びが簡単なうえ、不要になれば資源ゴミとして処分できるスグレモノ。単身赴任者だけでなく、独り暮らしの若者や女性からも人気が高い。自前のアンテナショップ(実験店舗)に新商品をいち早く展示して反応を見るなど、お客さまの意見や要望を活かすことが数多くのヒット商品誕生につながっている。 健康志向のキーワードは“安全・安心” 「“安全・安心”というのが商売の基本です」。健康志向の時代にあって、消費者はその商品がどのように作られているかを気にしている。同店では、お茶の葉を原料にした「茶香紙」、水鳥の羽毛をコーティングした「羽毛紙」など、天然素材を用いたモノづくりを徹底。販売するときには、その商品の素材や製法について説明を行い、消費者の不安解消に努めている。最近、開発に積極的に取り組んでいるのが、紙を燃やして作る「紙炭(かみすみ)」だ。使用済みの市営地下鉄キップを炭化した消臭剤、梅干しのタネやトイレットペーパーの芯から作った炭など、いまでは紙炭が看板商品の一つとなっている。グリーンコンシューマー(環境に優しい商品・サービスを選んで購入する消費者)が増加する中で、「あらためて“紙”が注目される時代がやってきました」と鈴木さんは胸を張る。 「?」「!」をビジネスチャンスと捉えよう 「かわいがっていたペットが死んだとき、その遺体を納める柩がないことに気づいた」のがきっかけとなり、2年前から犬や猫などペットの葬儀代行サービスを始めた。お客さまのもとに、再生紙で作った柩とアレンジメントした花を届けるというサービスが好評で、ビジネスモデル特許も出願している。 「賢い店や強い店が生き残れるのではない。時代のニーズに対応した店が生き残れるのです」。インターネット販売にも早くから注目。アンテナショップで商品の魅力を実感したお客さまが、あらためてインターネットで注文することも多いという。常に一歩先を見据えたあきないの姿勢は、まさに“進化する老舗”そのものだといえる。 異業種交流に参加し、市場に受け入れられる商品を開発 また、異業種交流にも積極的だ。毎月一度、約30人の小売店主とともに、勉強会や意見交流会を開催している。「いま、困っている問題を解決することで、新しいモノづくりが見えてきます」と鈴木さん。鋳物店や塗装店と共同で開発した「紙管てすり」が話題となるなど、異業種交流の成果は着実に生まれている。来年8月には、ニューヨークで展示会も予定しているという。 明治時代、上海で見た万華鏡をヒントに、紙筒の製造技術を開発して以来、不易流行を繰り返してきた『鈴木松風堂』。お客さまが何を求めているのかを的確につかみ取り、それを新たな商品開発やサービスに活かす姿勢が成功に結びついている。 |
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鈴木松風堂 再生紙を利用したアイデア商品のほか、キップや紙管を素材にした紙炭などを製造販売。「自然にかえる・紙にかえる」という意味が込められたユーモラスな“カエル”がトレードマーク。 ■創 業/明治26(1893)年 ■社員数/80名(パートを含む) ■京都市中京区柳馬場六角下ル井筒屋町 ■TEL/075-211-5641 ■FAX/075-252-1981 ■営業時間/午前9時〜午後8時 ■定休日/不定休 ■URL/http://www.kyo-rojishop.com ■E-mail/info@kyo-rojishop.com |