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“期待”に応える良品を提供する喜び
のどかな自然に恵まれた亀岡の広大な農園で果樹苗木や植木を生産・販売している『隅田農園』。栗や柿、桃、柑橘類などオーソドックスなものから、独自に品種改良した寒さに強いレモン、ポポー(アケビに似た南米原産の果実)など珍しいものまで、数百種類もの品揃えが魅力だ。
同店の特徴は、“ほんまもん”の苗木へのこだわり。例えば、一つひとつの苗木を丹精込めて育てているのはもちろん、販売するときにも根っこを処理せず地面に仮植えして、できるだけ自然に近い状態で提供するようにしている。まるで、わが娘(こ)を嫁がせるような気持ちなのです。すくすくと育ち、豊かな“実り”を楽しみにしておられるお客様の期待を裏切らない、という信頼が大きな支持につながっている。
果樹への情熱を伝えることで、お客様との一体感を高める
最近のガーデニングブームと相まって、個人客が果樹の苗木を買い求めるようになってきた。「せっかく買ってもらったのだから、育てる楽しみを味わっていただきたい」と隅田さん。初めてのお客様には、土作りの方法や苗木の植え方、肥料の与え方などを詳細に解説した説明書を渡している。また、ホームページを利用して、ベランダでの栽培方法や鉢植え方法など、初心者にも分かりやすいようにアドバイス情報を発信。メールでの問い合わせにも「たとえ些細な質問でもお伝えしたいことがたくさんあるので、返事はその何十倍にもなることがある」と、労を惜しまず懇切丁寧に返信されている。苗づくりが心から“好き”という店主が、その情熱や思いを発信することによって、お客様の共感を得ている。
インターネットの活用で、市場価値のなかったものが“お宝”に!
インターネット販売は、2001年から始めた。苗木は“生きもの”だけに、注文した商品が手元に届くまで不安が伴うものだ。同店では、ホームページを大切な情報発信ツールと考え、店主自らが農園やスタッフについて紹介した日記、コラムを掲載するなど、顔の見える“あきない”を心がけている。決して派手さはないが、店主の人柄が伺えるような素朴で誠実な内容が、お客様の安心感を生み出している。
最近では、農家や園芸愛好家だけでなく、「地域限定の品種を収集するマニアなどから注文が舞い込むようになった」と。また、これまで果樹苗といえば、接ぎ木をして1年目の苗が市場では一般的には流通しており、果樹苗の売りシーズンが終わるとその苗は捨てられることがほとんど。しかしその苗を2〜5年育てて大苗という形でインターネットで紹介したところ、「育ててみたい」というお客様から問い合わせが相次ぐなど、顧客のすそ野は確実に広がってきている。
家族連れで楽しめるコミュニティ・パークを目指す
毎年、春と秋の2回、「展示会」を開催している。ただ単に苗木や植木、その名前を紹介するだけでなく、例えば「これは何の木の葉っぱ?」「これは何の実?」など種々のクイズを織り交ぜ、家族で楽しめる場づくりをしている。今後は剪定教室や接ぎ木教室なども開催する予定。落ち葉拾いや昆虫採集などに訪れる家族連れを視野に入れ、「自然の魅力、素晴らしさを感じてもらえれば」と隅田さん。将来は、地域のコミュニティ・プレイスとして活用したいと話す。
「苗木への思い入れ」「顧客への感謝と愛情」、この2つのこだわりを大切にしてきた『隅田農園』。“売るぞ、売ってやろう”と気負うのではなく、自らが商売を楽しみ、それをお客様と共有することでファンを増やしているのだ。
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