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菓子匠
双鶴庵(そうかくあん)
 店主

地域色を生かした菓子づくり

代表取締役 米山 博章氏

* ◆ 卸売りから小売へ転換

JR西舞鶴駅から徒歩10分、国道27号線沿いにある和菓子の店「双鶴庵」は、白壁と黒柱のシックな民芸調の洒落た店構えが印象的だ。店に入り、まず最初に目を引くのが、帯や漆器などで和風の演出をしたショーケース。中には贈答用和菓子から柏餅などの生菓子、上生菓子などが陳列され、種類の豊富さに驚かされる。
「これだけ多種類の商品を展開して店頭販売に力を入れるようになったのは、この店を建て替えた10年程前からです。それ以前もここで小売販売はしていましたが、8割は駅売店や土産物業者への卸売りが中心でした。しかし、ちょうどその頃、京都市内で修業していた長男が帰ってきて新しい商品を開発したこともあり、少しずつ種類を増やしてきたんです」と米山博章社長は語る。




◆ 個性的で、バラエティーに富んだ品ぞろえ

主力は贈答用の和菓子。ショーケースには、常時、羊羹や焼菓子、餅菓子、洋風和菓子など多彩な菓子が20種類以上並び、高級感のある箱や包装からも菓子へのこだわりがうかがえる。「贈答用菓子は地方への進物に利用されるお客様が多いので、地域の特性を生かした和菓子づくりにこだわっています。例えば、小豆餡にワカメを入れ、舞鶴港に沈んだ古代の里の名前を付けた『凡海郷(おおしあま)』や、細川ガラシャをモデルに考案したカステラ風の『雅羅紗(ガラシャ)』など、舞鶴ならではの個性的なものを心掛けています」と米山社長。新しい和菓子が顧客に支持され、次第に種類が増えていくのだという。 このように個性的でかつバラエティーに富んだ品揃えが人気の秘訣のようだ。贈り物や地方への土産として、また婚礼や法要など行事の進物用として、舌の肥えた地元の顧客が足しげく通うほか、舞鶴土産にと買って帰る観光客などで賑わっている。

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最も人気の高いのが、昭和24年の創業以来のロングセラーを続けている「鶴の里」。折り鶴をイメージした三角の羊羹に求肥(ぎゅうひ)を巻いたもので、品評会では数々の賞を受賞、舞鶴銘菓として今なお根強い人気を得ている定番商品だ。一度食べてファンになったという京阪神からのリピート客も多く、連日地方発送をしている。和菓子の味・風味はもちろん、パッケージにいたるまで、一貫したこだわりが客の心をとらえているようだ。

◆ 家族ぐるみで新商品の開発

「上質の小豆を使用して、製餡から仕上げまですべて手づくり。和菓子は味と風味が命ですから、一定の水準を落とせません。また最近は甘みを抑えたものが好まれる時代です。お客様のニーズに合わせるよう努力しています。地域性や年代によって嗜好はさまざまですから、それぞれに対応できる和菓子づくりを心掛けています」という。現在、和菓子づくりは専務である息子の隆一郎さんを中心に、家族で意見を出し合い、新商品の開発に取り組んでいる。  「お客様の反応や声を和菓子づくりに生かし、年に2回は新商品を出しています。しかしこれからは昔の良さに、若い人の斬新なアイデアをプラスし、時代に即応した菓子づくりもと思っています。いつまでも頑固一徹では駄目ですね。家族ぐるみで活性化を図っていかなければ。これで完璧ということはなく、一生研究ですから」と語る社長の静かな口調からは和菓子づくりにかける情熱と自信がうかがえた。


店外観 菓子匠 有限会社 双鶴庵

■舞鶴市宇北田辺127
■営業時間/午前8時半〜午後7時
■定休日/火曜日
■TEL. 0773-75-0122






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