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西本願寺前に和の佇まいの店舗を構える、表具のスペシャリスト 西田松月堂は、表具の製造・小売り・卸でお客様のニーズに応えることで堅実に事業を発展させている。「新店舗になって一見さんにも覗いていただけ、外国人観光客も訪れます。」と西田光宏氏は話す。まさに和のテイストの店舗が新しい客を呼ぶことになっている。 主な顧客は、大きく分けると社寺関係、書画作家、一般ユーザーとなる。来店いただいたお客様の要望などを十分把握すること、また、全国の客先に出向き、表具の置かれる環境などの確認・提案など、この業界ではあまり行っていないお客様とのコミュニケーションを大事にしている。この姿勢は家業として引き継がれてきた伝統なのかもしれない。まさに、いちはやくソリューション型ビジネスを展開しているのだ。
西田松月堂は、京都はもとより全国に固定客をもっている。この業界では、リピーターをいかに多くかかえているかが事業経営で大きなポイントになり、店の格となるのだ。同業者との大きな違いは固定客、西田松月堂ファンが全国にいるということだ。本来、表具屋というのは、店舗を持たず、下請けの家内手工業として成り立っている。ほとんどが下請け仕事のためエンドユーザーの顏を見ることはない。したがって、表具師とエンドユーザーのお客様とのフェイス・トゥ・フェイスで打合せができるスペースをもつ西田松月堂のような店舗は、極めて稀ということになる。このような顧客志向の経営が全国に多くの固定客をつくっている。
事業としては各種表具の修復と新規の軸製造・卸であるが、やはり修復がメインの仕事である。それは修復ができる技術を持つ職人が少なく、きっちりとした確かな仕事ができるところに依頼が集中するからである。また、修復は技術と経験、そして信用が決め手となる特殊な仕事でもある。 西田松月堂では、お客様の要望を十分に聞くことから仕事をはじめる。まさに一品一様で何一つ同じものをつくることはない仕事である。高い品質のものづくりの職人仕事に加え、「提案」をコンセプトに多様なお客様のニーズに応え、信頼を得ている。表具は明確な単価がないという特殊な世界であり、お客様の満足度が価格となる。やはり確かな「技術」と「信用」が不可欠な商売といえよう。
京都という土地柄が、よい表具をつくる仕組みを生んでいる。必要な素材やパーツの調達からはじまり、それぞれ得意分野の職人がネットワークされ、長い時間をかけて修復や製作に取り組んできた文化の積み重ねが確かな品質のものづくりを可能にしてきた。そして、何よりも目の肥えたお客様が京都にはいるということが、いいものをつくる源となっている。
数年前から伝統の表具のあり方を守りつつ、新しい表具・表装のデザインを志向している。ユーザーのライフスタイルが変化してきている中、マンションの壁面につり下げても違和感のない掛け軸などを志向している。伝統を継承しながら世の中の流れ、時代の趨勢に対応する柔軟な発想で表具に多角的な目を向けているからである。今後は、屏風、ふすま、障子などへの展開を考えていると聞く。 今、西田氏が大事にしたい思いを、「表具師は表に出ない黒子であり、作品を創った人を引き立たせるわき役です。また、作る側の御仕着せではなくお客様の視点、使われる観点からどのような表具に仕立てるかが求められています。」と話す。.職人と経営者の二面性を持つ若き表具師はどこまでも顧客志向である。 |
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有限会社西田松月堂 |