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ふるさとのぬくもりを包み込んだ「京風ぎんつば草納言」
京・丹波の山間のまち瑞穂町で地域名産菓子の製造・販売を手がけているのが『鎌谷中もえぎグループ』。現在、代表をつとめる細井百合子さんら地域の主婦3人が始めた“おかき”づくりが出発点だった。すべてが手づくりという素朴さと無添加・無着色へのこだわりが消費者の心をとらえ、周辺町村からも注文が相次いでいるという。
グループが転機を迎えたのは平成5年。「地域内だけでなく、全国的に売れる特産品を開発したい」との思いから、専門家を招いて、町ぐるみで新商品の開発に専念。町のブランド品となっている瑞穂大納言小豆とほうれん草を使った「京風ぎんつば草納言」が、ニッポン全国むらおこし展特産品コンテストで大賞を受賞したことで、一気にグループ名が全国に知られるようになった。
大手通販会社と地域企業の二人三脚が奏功
同グループの販売戦略の特徴は、大手カタログ通販会社との提携にある。現在、総売り上げの8割以上を通販で占めているが、「小投資で効果的な販促を期待するためには、既存の流通システムを利用するのも一つの方法」と細井さんは語る。すでに百貨店や生協、飛行機や船・新幹線内にもカタログが配布されており、全国から注文が舞い込んでいる。
迅速で丁寧な対応をするために、通販会社のアドバイスで商品の味や鮮度を損なわないフリーズドライ(冷凍保存)方法を取り入れたり、多くの顧客が要望する生の声や売れ筋の情報などを教えてもらって、新商品の開発に活かすことも多い。まさに、大手企業と地域企業の“二人三脚”が功を奏した一つの事例だ。
ふとした発想が、新商品開発のアイデアに
カタログ通販の場合、同じ商品を毎月載せていてはお客さまを飽きさせてしまうので、新商品の開発には特に力を注いでいる。瑞穂大納言を茶葉でつくった衣で包んだ「茶通」(春)、ゆずのうま味を丸ごと生かした「ゆずゼリー」(夏)、丹波栗を黒蜜で煮た「焼栗」(秋)など季節ごとの商品を揃えるほか、節分やひな祭にはひし餅、あん餅、あられなどを詰め合わせた贈答品も用意する。毎月、2種類以上の新商品開発を目標にしている。
「田んぼのツクシを見ても、これを材料に使えないかと考えてみるんです」と細井さん。観光地に行っても、ついつい土産品や特産品に目が向いてしまうのだとか。“こんな商品があったらいいのになぁ”という発想が、よそにはないアイデア商品を生み出す源となっている。
「やればできる」という気持ちが成功へと導く
細井さんのモットーは、“仕事は楽しく、面白く”。こうした姿勢は、従業員の育成にも表れている。火入れのタイミングや微妙な味加減が難しい菓子づくりだが、「まず、やってみせること。失敗を責めないこと。やればできるということを教えれば、仕事は楽しくなります」。若い従業員のアイデアにも積極的に耳を傾け、新商品の開発に活かすことも少なくないという地元企業ならではのアットホームな雰囲気を生かし、「褒めて育てる」教育方針が、一人ひとりのやる気と向上心を引き出すことにつながっているようだ。
瑞穂町発の手づくり特産品にこだわり、着実にファンを増やし続ける『鎌谷中もえぎグループ』。大量生産品が市場にあふれる中、どことなく素人っぽさが残るおふくろの味わいが、多くの消費者の心をとらえているのだろう。
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