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地釜で丁寧に作られた飴を広めるために
京都・宇治の土産物として親しまれている抹茶飴。昭和39(1964)年に設立された岩井製菓を代表する逸品だ。「うちでは抹茶飴だけでも50種類くらい作っています。
『こんな形の袋に詰めたい』などのお客様の希望に合わせていったらどんどん品数が増えて、今では500種類くらいの飴を作っているんですよ」と、岩井社長は話す。
初代の岩井保さんは「現代の名工(京都府優秀技能者賞)」を受賞したほどの職人。「父親が地釜でつくる飴の味は間違いないという思いを常に持っていました。しかし、日本が豊かになってきたことで、必需品とはいえない飴の売り上げはどうしても下がってしまう。そのため、企画や営業の部分を掘り下げて考えることが必要だと思ったんです」。
花の茶屋で生まれた新たな看板商品
初代のつくる飴をよりたくさんの人に味わってもらう。それが売り上げを伸ばし、新しいことに挑戦するためのチャンスとなるに違いない。そう考え、日々営業に奔走した。「最初の7、8年くらいは中々うまくいきませんでした。そんなとき三室戸寺さんから花の茶屋を受け持たせてもらうことになったんです」。
紫陽花が有名な三室戸寺において、4月中旬から7月にかけて開かれるカフェ「花の茶屋」で、スイーツを提供し、飴も販売する。これにより認知度が高まるとともに、新たな看板商品も生まれた。
「ドリンクとして冷やし飴を販売しました。関西以外の方には珍しさもあり、とても気に入っていただき、『あの冷やし飴を売っているお店はどこにあるんですか?』という問い合わせが増えました」。
実店舗とネットショップを使い分け、顧客満足につなげる
「花の茶屋」で得た経験をもとに、平成19(2007)年3月 宇治平等院の表参道で「はんなりかふぇ・京の飴工房『憩和井』平等院店」をオープンさせる。
「店を持ったことで、年間を通じてお客様に来ていただけるようになりました。同時期にネットショップの運営も始め、全国の方からの注文にも応じられる体制を整えました。基本的には、お電話や直接会っての販売を大切にしたいのですが、千歳飴などの時期が決まっている商品については、ネット販売の方が要望に応えられます。うまく使い分けてお客様に満足いただける体制にしていきたいと思います」。
一つひとつの要望に丁寧に応える
ネットショップを始めたことで、企業からの問い合わせも増えた。「うちの店では比較的小ロットでオリジナルの飴が生産できるようにしています。例えば、オリジナルの飴をつくりたいと思っても、1トンの在庫を持つのはお客様としても怖いわけです。そこで、15キロのロットでできる体制を整えました」。1袋100gとして約150袋程度。少し割高になってしまうが、在庫をもつリスクよりも、利用しやすいというメリットが勝り好評だという。
「OEMを通じて新しい飴づくりのヒントをいただくこともあり、できる限りお客様の希望に沿ったものができるように日々いろいろな方法を考えています」。
今後は、新たにもう一店舗の出店も計画しているという。岩井製菓の躍進劇は、まだまだ続きそうだ。
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