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新提案で“個性”を表に
宇治田原町で和洋酒や食料品を販売する『堀口商店』。3代目店主の堀口さんは、伏見の清酒メーカーで販売の仕事の経験があり、5つ星の高級店から気軽に立ち寄れる茶屋のようなところまで、全国の問屋・小売店5,000軒以上をご用聞きで回った。このときの経験を生かし、「ほかの店とは違う“個性”を売ろう」と考えたという。
堀口さんは、まだ“ギフト”という概念が確立されていなかった頃から贈り物商品に注目。「贈り物には贈り物の“らしさ”があるはず」と考え、いわゆる好適品の提案を行った。ギフト商品として喜ばれそうな季節もの、縁起もののお酒やワイン、食品を集めた手づくりのカタログを用意し、お客様のニーズや目的に合わせて販売。お酒をたしなまれないお客様からも注文が舞い込むなど、顧客のすそ野が広がったという。
「自分なら何をされたらうれしいか」を考えることがサービスの基本
大正10年の創業以来、“小さな店の楽しい挑戦”“酒を愛す 心を す”など、さまざまな経営コンセプトを掲げて商売に取り組んできた。お客様を知りつくした個店だからこそできる、きめ細やかなサービスを目指している。例えば、突然の弔事の際には、お客様は気が動転されており、そのようなときのご注文にはビールグラスや徳利・盃も貸し出し、参列者の数などを考えて不足のないように少し余分に届けることもあるという。
お客様がいつ、どのような商品を購入されたか、また、どこに何を贈られたのか、150軒以上の顧客リストを管理している。贈り物の季節には、そのリストを用い品選びの話題から決定する。「自分だったら何をされたらうれしいかを一番に考えます」と堀口さん。“消費者としての視点に徹したサービス”が根強いファンの獲得に結びついている。
自分が勉強すること! それがお客様の期待に応えることに
堀口さんは毎年2回、大阪で開催される「酒と食料品の見本市」に必ず足を運んでいる。「商品についての疑問点をメーカーや問屋に質問できるチャンスを逃さず、自分が納得したものだけを仕入れます」と。商品を販売するときも、「高級焼酎は大きな器でなく、まずショットグラスで原酒を味わってから…」など、お酒の飲み方や保存方法など商品の価値に見合ったアドバイスを積極的に提案してお客様からたいへん喜ばれている。
そのほか、地元の商工会や京都産業21が主催する勉強会や交流会にもできるだけ参加している。多くの人と触れることによって、自分にはない知識や発想が得られ、顧客管理や販売戦略のシステムを考えるうえで非常に参考になっているという。
高齢化が進む地域顧客を見据え、魅力的な商品を提供
今年60才という節目を迎えた堀口さん。「60才という目の高さに立った商いを考えています」。メーカーと協力し、伝統食(米や京野菜、味噌など)に関する研修も受け、“達者応援食品”と銘打った健康商品も取り扱うようにした。アガリスクなどキノコ成分を含有した食用酢、南高梅を素材にした梅エキスなど、高齢化が進む地域客を意識した品揃えが好評だ。将来は店舗2階のフリースペースを利用し、伝統食に関する専門家を招いて講習会を開きたいと意欲を見せる。
立地条件は決して恵まれているとはいえないが、消費者の視点に立った“かゆいところに手の届く”サービスで、お客様の心をがっちりとつかむ『堀口商店』。お客様に夢を与える個店の楽しい挑戦はまだまだ続くようだ。
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