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アートなセンスがお客様の心をとらえる
“鉄”の素材感を活かしたさまざまなオリジナル品を、デザインから制作・販売まで手がける『FeNEEDS』。お客様の注文や要望に応じて、表札や看板、門扉、ネームプレート、棚受けやハンキングフックなどの小物類に至るまですべて丁寧に手づくりしている。「関西では唯一のアイアンショップ(鉄専門店)」と胸を張る店主の小宮さん。手がけた作品で、たとえば、“和(なごみ)”というフラワーショップの看板で、一見すると花をあしらったデザインなのだが、よく目を凝らしてみると「和」という文字が隠されており、デザインの中にうまく組み込まれて表現されている。「あっ、面白いな」と目を引くようなデザインセンスを商品の中に吹き込むことによって、個性や好みを大切にするお客様の心をがっちりとつかんでいるようだ。
硬派な鉄のイメージを刷新
「鉄で何かを作りたい、作ってほしい」と思っても、大きな注文でないと鉄工所にはなかなか行きにくいもの。そこで、「だれもが気軽に立ち寄れるオープンな店を目指しました」と小宮さん。外から店内が眺められるガラス張りの入り口、鉄で作った愛らしい椅子や小物類が並べられた明るい店内は、モダンアートの雰囲気を感じさせてくれる。「鉄は錆びる」「手入れが大変だ」というイメージがあるが、時を経るごとに、深みや味わいが増していく魅力があるのだ。それを伝えるために、これまでの制作事例や実際のサンプルを見てもらいながら、お客様に充分納得してもらったうえで制作を行っている。「鉄っていうのはほんとにいいもんだ、と実感してもらいたい」と。自分の作った商品に自信と愛着をもっているからこそだろう。
鉄への情熱を惜しまない取り組みが共感を呼ぶ
もっと多くの方々に鉄の魅力を知ってもらおうと、1年ほど前から自分の工房を開放して、鉄工・溶接体験教室を始めた。お客様一人ひとりに鉄の曲げ方や溶接の方法を初歩(基礎)から親切に指導しながら、フォトスタンドやキャンドル立て、皿などさまざまな制作のお手伝いをしている。最近では、卒業課題でオリジナルの品を作りたいと希望する芸術大学の学生や、両親にプレゼントする記念品を作りたいという若者が訪れるようになったという。
また、地域の子どものおもしろ体験教室や中学生の経験学習の受け入れなど、地域貢献を目指した活動も行っている。決して派手ではないが、地域に根ざした“儲けだけを優先しない”取り組みが、お客様の共感を得て新たなファンの獲得にもつながっている。
世界初の“溶接アート”でアピール度急上昇
溶接で自分の思いを表現する“溶接アート”にも力を注いでいる。鉄板をキャンバスに見立て、溶接技術を駆使してさまざまな絵を描いたもので、マスコミにも取り上げられるなど、話題を呼んでいる。これまでに京都や大阪などで個展を開催したり、各地の芸術展などに積極的に参加。作品に触れた人々から、「こんな面白いものが作れるのならうちの看板もお願いしたい」と声をかけられることも少なくない。さまざまな機会をうまく活かし、自分のスキルやシーズを発信することによって、新たなビジネスチャンスにうまく結びつけている。
これまでの鉄工所のイメージとは異なる、まったく新しいコンセプトの鍛冶屋『FeNEEDS』。“職人技術”と“アート”を融合させた取り組みにますます注目が集まりそうだ。
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