|
古都の“地の利”を活かした仕入れ
約30年の歴史を持つ老舗アンティークショップ「blue Parrot」(京都市左京区丸太町通川端東入ル)。
「blue Parrot U」はその2店舗目で、約20年前に本店近くの京都市左京区聖護院にオープンした。かつてジャズ喫茶があったという店舗ビルは、黄色い外壁が周囲でひと際目を引く。専務取締役の久利さんは学生の頃、本店に出入りしているうちにオーナーと親しくなり「blue Parrot U」の開店に関わったのを機に入社した。
同店は、明治、大正、昭和初期に日本で作られた洋家具を中心に、ヨーロッパのアンティークや和家具、雑貨などを扱う。古いものでは江戸時代の箪笥などがある。商品はおもに京都市内と大津の大規模骨董市で仕入れる一方、一般家庭からの買取りも多い。「京都市内は空襲を免れたため、焼失せずに残っている古い家具が普通のお宅からもたくさん出ます。そのため仕入れに困ることはありません」と、久利さんは古都ならではの“地の利”を認める。
安心して使えるアンティークを
同店のこだわりは、「アンティーク家具を使って楽しんでもらうこと」だと久利さんは言う。家具はすべて修繕し、再塗装と消毒を施してまた使えるようにしている。単なる飾り物としてのアンティークではなく、現代生活できちんと使えることを重視しているのだ。
そして、メンテナンスをする上で特に気をつけているのが補強だ。「例えばテーブルなら小さなお子様が上に乗って遊んでも壊れないように強度を加えます。昔以上に丈夫なものにして、安心してお使い頂くことが僕らの仕事でもあります」と、安全性にも細心の注意を払っている。
「売ったきり」の商売はしない
客層は大学生からお年寄りまで幅広く、お年寄りはアンティークに懐かしさを、若者は珍しさや新鮮さを感じているようだ。特に、若者の購買層は近年増加傾向にある。「マンション住まいの若い夫婦や、町家で飲食店をオープンする若手オーナーが購入することが多いですね」。実用性も兼ねたおしゃれな調度品として、若者の間でアンティーク人気が高まっており、久利さんが彼らの相談に乗りアドバイスすることもしばしばある。
同店は、売却後のメンテナンスにも対応しており「売ったきり」の商売はしない。「それが京都の土地柄ですからね。多くのお客様と長いお付き合いをさせて頂いています」と久利さん。商品に責任を持ちお客様との繋がりを大切にする姿勢が、長年にわたり同店が支持される理由のひとつとも言える。
ゆっくりとマイペースを貫く
久利さんは、3店舗目の出店の可能性については否定しないものの「ゆっくりと店が発展すればいいと思います」と、あくまでマイペースを貫く。アンティークファンはいつの時代にもおり、この業種は景気に左右されにくいからだ。「バブルの時も不況の時も大した影響はありませんでした。
いわば大儲けもなければ大損もしない。だから、僕らは能天気なんですよ(笑)。僕らが気楽に構えているから、お客様も気軽に当店に来られるのだと思います」。その飾らない雰囲気に惹かれてフラリと遊びに来る常連客も多く、サロンのような落ち着きを持つ同店は、今後も商品同様に息の長い経営を続けていく。
|