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嵐山の北、苔の絨毯が美しい「野宮神社」は源氏物語にも登場し、この辺り北一帯に広がる嵯峨野は、いにしえには嵯峨天皇の離宮や皇室の遊猟地、文人・世捨人たちがひそかに住んだ山里で、今も草庵・石仏などが道辺に佇み、竹林が静かにそよぐ。

清浄閑寂な面持ちの「常寂光寺」、芭蕉の門人・向井 去来の閑居した、佗び寂びを感じさせる「落柿舎」、楓の新緑や紅葉に包まれ、釈迦如来と阿弥陀如来の二尊を安置する「二尊院」などが連なる。小倉山の麓に苔むした庭園の美しい「祗王寺」は、平 清盛の寵愛を失い、尼として余生を送った祗王の哀切なロマン(平家物語の哀話)を伝え、奥まってある「化野念仏寺」はかつて風葬したところで、無数の無縁仏の石仏や石塔で埋まり、物悲しさがただよう。
さらに光 源氏のモデルとして知られる源 融の山荘跡で、古びた堂宇に歴史を偲ばせる「清涼寺」、風光明媚な月見の名所として名高い「大沢池」、この地に源を発するともいわれる嵯峨菊の清楚な彩りを愛で、嵯峨御所とも呼ばれる「大覚寺」から、周囲を孟宗竹で囲まれ情緒豊かで、雑記帳"想い出草"で知られる「直指庵」へも足を延ばしたい。

このように、今も佗びた庵の跡や竹やぶに差し込む陽射に古都の雰囲気を満喫できる散策路として見どころが多い。


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