北陸を本拠に全国展開している総合情報サービス大手の(株)インテック(本社・富山市)。1964年の創業で、京都センターは5年前に設置されました。コンピュータとネットワークを基盤に業務のコンサルテーションから設備の運用・保守管理まで、情報システムのゼネラルコンストラクターとしてI T分野をトータルにサポートしてお られます。 センター設置で売上倍増へ ――社内における京都センターの位置づけは? ――いま、全社的に着目しておられる新事業は? ![]() 倉田 携帯電話向けのASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)事業です。iモードなど携帯電話のインターネット接続サービスを利用して、業務用のアプリケーションを配信しようというもので、つまりiモードがコンピュータ端末の照会画面になるわけです。 携帯電話はどちらかというと娯楽分野などパーソナルユースが中心でしたが、業務用のモバイル端末としても注目されるようになり、昨年、富山本社にモバイルセンターを設置しました。外回りの営業マンが顧客情報の検索や、どこからでも在庫確認して即座に受発注ができるなど幅広い利用が期待されています。インターネットと携帯電話の組み合せという切り口でいけば、業務用アプリケーションの適用分野はこれからどんどん広がっていくのではないでしょうか。 ――利用企業にはコスト面でのメリットも。 倉田 かつて全国をまたに掛けた“富山のクスリ売り”をご存じでしょう。ビジネスの仕組みはそれと同じで、ご利用された分だけ通信料金をいただくというものです。 回線を一度結んでいただければ永続的にお使いになることができますし、私どもにとっては携帯端末を利用してどんなお客さまのニーズが見込めるのか、ソフト業者としての経営資源にもなります。 当社は一昨年、ISO9002の認証を取得しました。このASP事業はより高品質で安定したサービスが提供できるよう、日本オラクルさんのご協力を得ています。 ――I Tが国家戦略にうたわれ、e-ビジネスはまさに好機ですね。 倉田 e-ビジネス普及の大きなネックとなっているのが通信料金の問題です。料金が米国並みに安くなれば、飛躍的に普及していくでしょう。次にやってくる時代のために、当社では米国企業や国内の主要企業と共同出資のEC事業会社を設立しています。 その1つがインターネットによる自動車販売の情報仲介サービスです。インターネットでも安心してクルマが買えることが消費者に浸透、ディーラーもこのサイトに加入すればプロモーションコストがかなり削減できますから、新しい販売チャネルとして注目を集めています。 大企業からベンチャーまで視野に ――ネットビジネス展開にあたって留意すべき点は? 倉田 ホームページでの発信はたんなる入り口にすぎません。商取引のプロセス、例えば物流とどうリンクさせるのか、決済方法をどうするのか、物流と金流がポイントになります。これまでにEDI(取引の電子データ交換)に取り組まれている企業であれば、比較的容易にシステムを構築することができます。EDIについては私どものネットワーク事業で提供しており、ネットによる受発注から決済のシステムづくりまで、ご相談に応じています。 ――また、営業現場では顧客にI Tの特長を十分に認識していただくことが大切になりますね。 倉田 お客さまにとって課題は業種、企業形態によって千差万別です。常に最適なITソリューションを提供するのが私どもの仕事ですから、お客さまの出すシグナルをどうピックアップし、課題を的確に抽出するかにかかっているといっても過言ではありません。その意味で出発点はやはりヒューマンパワーになりますね。 ――オーダーメイドとはいかないまでも、おすすめの手軽なサービス商品は? 倉田 パソコン初心者の方でも簡単に作成したり利用できる指定伝票・会計システムや、株式公開予定企業向け申請書式のソフト、5月から「マイライン」がスタートしますが、固定―携帯電話間の低料金化、全国の電話帳をデータベース化した番号案内の利用など、サービス分野はシームレスです。大企業から中小・ベンチャー企業まで、コスト低減をはじめあらゆるソリューションを提供するグッドパートナーであり続けたいと考えています。
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