総合ビル管理の滑ヨ西メンテナンスは、建物の総合コーディネーターとしての機能発揮をめざし企業グループを形成しておられます。提供するサービスの基本的視点は“メンテナンスからマネジメントへ”。そして昨年9月、念願の上場(大証2部・京証)を果たし、今年7月にはISO9001の認証を全事業所・全業務で取得されました。 遠隔自動監視の草分け ――株式公開の計画はいつ頃から? 新谷 大阪中小企業投資育成鰍フ資本参加を受けて増資をした平成元年からです。我々の業務は、施設・設備の保全からリニューアル、防災、環境衛生、運営コスト管理まで、建物に関する幅広いニーズに対応していますが、世間一般ではまだまだメンテナンス=ビル清掃のイメージが強い。ですから上場することで業界の認知度が高まることにつながれば、というのも理由の一つでした。 ――今年がちょうど設立30周年になりますね。 新谷 私は工場のエネルギーセンターに勤務していて高圧電気の管理をしていたのですが、昭和43年、24歳で脱サラして独立し、2年後の45年に法人化しました。当時は、一定規模の受変電設備をもつ施設では有資格者を社員に雇用し、京都府庁でもボイラー技士や電気主任技術者などを職員として配置していました。それが次第に保守管理は外部に委託するようになり、この分野での市場拡大が期待できると考えたからです。 ――そして、グループ企業を次々と…。 新谷 メンテナンスの過程では、定期点検、設備管理の保全コストや、改良・修繕、光熱費の運用コストなど、さまざまな費用が発生してきます。こうした建物の「ライフサイクルコスト」を低減するには、建物の企画段階から綿密な調査を行い、その施設にフィットしたメンテナンスシステムを設計する必要があります。そこで昭和49年に設計・施工の専門会社、(株)関西エンジニアリングを設立しました。 また、昭和52年に事業エリア拡大のため地域法人の(株)関西メンテナンス滋賀、平成2年にはメンテナンスの技術と経験をもつ高齢者の人材派遣を目的に、(株)グランマスターズを発足させました。現在、グループ(カンメン・グループ)全体では約600人の従業員がいます。 ――オンラインによる監視システムの導入も早かったのですね。 新谷 昭和55年、業界に先駆けて24時間体制のビル設備の遠隔自動制御システム「カンメン24監視システム」を開発しました。例えばポンプに異常が発生すると、ポンプを停止させたり、他のポンプに切り替えるなどのコントロールを遠隔操作でやるわけです。最寄りの営業所から緊急出動もします。その集中管理センター(カンメン24サービスセンター)も当初は一部屋分の設備を要していましたが、いまはパソコン数台のスペースで済むようになり、この間、メーカーさんにはずいぶんご協力をいただきました。 建物の“ヘルスドクター” ――ところで、建物のライフサイクルコストとは?
シルバー人材あっせんも ――カンメン・グループの事業エリアは? ――I Tの活用法についてはいかがですか。 新谷 この業界の経営資源はなんといってもマンパワーです。高齢社会への貢献という観点から、子会社の(株)グランマスターズを主体にリタイアされた業界経験者をインターネットで募って、日常発生するお客様のちょっとしたニーズに橋渡しをする。そんなシルバー人材あっせんのヒューマンネットワークが実現できれば、と思っています。
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