創業45周年を迎えた業務用食料品卸の(株)ヤマイチは、8月8、9日の両日、食品展示会「フードパーク2000 KYOTO」を京都・みやこめっせで開催します。この催しは、京都の飲食店業界の発展と活性化をめざす本格的なフェアとして5年に1度実施しているもので、食材全般 、飲料、厨房機器、食品加工機器、各種備品に至るまで幅広く展示する一方、店舗経営相談コーナーなども設けられ、関係業界への情報提供とさまざまな提案が行われます。 製版一体のヤマイチ会 ――「フードパーク2000 KYOTO」の企画・運営は? 鈴山 私どもが組織運営している「ヤマイチ外食産業研究会」(通 称ヤマイチ会、121社)のメンバーで実行委員会を設けて主体的に進めています。ヤマイチ会は、お得意先である飲食店、仕入先の食品メーカー、そして卸の三者が同じ土俵の中で手を組み、明日の外食産業のあり方を考えていこうと、昭和61年に発足しました。 流通サイドから積極的に情報発信していくためには、商品展示会の開催が欠かせません。展示会を開くからにはお客さんに来ていただかないといけない。お客さんを集めるには多くのメーカーさんに出展してもらわないといけない。そのためにはメーカーさんとの日ごろのお付き合い、コンセンサスが大切になる――というわけで、きっかけづくりとして合同新年会を毎年開いているうち、これを組織化したのが会のはじまりです。 ――展示会への賛同の輪も次第に広がってきていますね。 鈴山 ヤマイチ会発足の前年、昭和60年に創業30周年記念行事として取り組んで以来、35周年、40周年と節目ごとに実施してきました。特に前回の40周年(平成7年)では、地元の飲食業界から本格的な展示会を開いてほしいとの声が寄せられ、それに応える形でスケールアップすることにしました。 ――今回のフードパークはどんな狙いで企画されたのですか。 鈴山 基本テーマは“食は人々に幸せを運ぶ豪華船”ということですが、単なるイベントに終わらせるのではなく、先の見える飲食店経営というか、実際の経営に役立つ提案にも主眼を置いたものにしています。 例えば、業界の大きな課題に後継者問題があります。経営者の方は普段、“この商売はしんどいし儲からない”とこぼしているのでは。これでは次世代が跡を継ぎたがらないのは当たり前です。そうではなしに“お客さんがうまいもん食べて喜ぶ顔は商売冥利に尽きる”。そして親子で展示会に来られて“こんな食材をメニュー化してお客さんに出してみよう”と話し合えば、親子のコミュニケーションも深まるのではないでしょうか。 いまイタリアに注目 ――取り扱っておられる商品のアイテム数はどのくらい? また最近はどんな食材が伸びていますか? 鈴山 酒類と生鮮食品以外はすべて扱っていて約5,000アイテム、お得意先は和・洋・中を問わず約2,000軒を数えます。 いま、伸びが顕著なのはイタリア料理関連です。UNIDO(国連工業開発機関)や商社などを通 じて世界37カ国とコンタクトがありますが、商品ではパスタ、ピザやソース類、オリーブオイル、ビネガーなどですね。 一方、各国が日本への売り込みに熱心なのがワインとオリーブオイルです。ワインは私どもでは扱っておりませんが、オリーブオイル協会から招待を受け、大阪で開かれる料理講習会にお得意先を連れてよく出かけます。 ――イタリア料理は日本に定着した感がありますか。 鈴山 それは日本に限らず世界的な傾向といえるでしょう。海外に出かけると、以前はフランス料理店だったのがイタリア料理店になっているのを見かけます。 もともと食材の宝庫はトルコだったそうです。それがイタリアで料理され、フランスではその料理に合うソースがつくられ、さらに盛り付けるための食器を開発したのがイギリスだといわれています。日本ではつい10年前まで洋食はフランス料理が主流でした。それがイタリア料理に変わり、いつまでブームが続くのかと思っていたら、いまは第4次ブームとかで、しかもだんだん奥が深くなっています。味の嗜好とともに、カジュアル性も時代のスタイルに合っているのかもしれません。また、ここにきてエスニック料理、“辛味”の食材もじわじわと受けてきているようです。 ――ヤマイチ会では海外研修ツアーも実施しておられますね。 鈴山 これまでにニューヨーク、イタリア、フランス、タイを訪問しました。先年、インドネシアを計画していたところ、政情不安で残念ながら見送りになりましたが、これからもグローバルな視点に立って食のトレンドや、消費者ニーズの変化をウオッチしていくつもりです。 観光京都に欠かせぬ「食」 ――情報の発信、インターネットの活用についてはどうされていますか。
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