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2000 MAY
NO.295
KYOTO MEDIA STATION

インタビュー
トータル思考で
情報通信分野を
フルサポート
CSK京都システム(株)
代表取締役 池田 昭 氏
池田 昭 氏


CSK京都システム(株)は、モデムを搭載した人気ゲーム機「ドリームキャスト」で知られるセガ・エンタープライゼス、パソコン出版・ゲームのアスキーなどをグループ企業に擁するシステムインテグレータ大手、CSKのフランチャイズとして発足。グループのシナジーと機動性を生かし、情報化に関する多様なニーズにフルサポートのサービスを提供しておられます。

システム開発の“町医者”
――CSKの地域法人としてスタートされて今年でちょうど10年。同種の法人は全国に何社あるのですか。

池田 京都のほか、北海道、東北、千葉、大阪、神戸、福岡があり、合わせて7社です。いずれも設立したのは同じ時期で、CSK出身者が社長をしています。CSK社内でアントレプレナーを育て、サービス網の充実を図っていこうというのが目的ですが、京都の社長は私が2代目なんです。平成5年末から1年余、西日本事業本部(大阪)産業システム第一事業部長として兼任の形で務め、7年4月から転籍して専任になりました。

――その西日本事業部とテリトリーが重なることになりますね。

池田 CSK本体のほうは関西圏以西の九州までカバーしていますから、そういう面も確かにありますが、我々は京滋地区に特化し、地域に密着して展開しているわけです。
CSKの経営理念は「サービスこそ我社の命なり」。そのグループの一員として「情報ネットワークで結ばれた21世紀の社会を実現します」――をスローガンに掲げていますが、例えていえば、本体が総合病院とするなら我々は町医者。風邪ひとつでもお客様のニーズにきめ細かく対応させていただくのが我々の役割です。

――具体的にクライアントに対するサポート形態は?

池田 お客様と歩調を合わせたシステムを構築するため、基本的に顧客先への常駐形態をとっています。1件当たり編成メンバーは平均5名といったところですが、現在手がけている案件では20名体制の大がかりなものもあります。目下、社員は60名ですから、事務所は昼間はもぬけの殻、夜になると俄然にぎやかになります(笑)。

――当然ながら“人がすべて”ということになりますね。

池田 私が兼任で社長になった当時は社員はわずか2名、とても手が足りずCSK社員に出向してもらって急場をしのぎました。社長兼任となった平成7年に社員10名前後、その後は時代環境の追い風もあって業務が急拡大し、定期・中途採用の両建てでやっと現在の人員体制になりました。人材育成は教育と評価体系の双方で行ない、待遇面では主任以上の4名については年俸制を導入しています。

ネット時代本番に備えて
――マルチベンダーであることに加えて、強み・特長をあげると…。

池田 どちらかといえばOSはオープン系と呼ばれるUNIXが得意分野なんですが、これからの時代はそれを突き抜けてWeb系の仕事に注目しています。いままではお客様が情報化投資される場合、エンジニアを何人集められるかが決め手でした。しかし、米国に続いてASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)、最新の業務アプリケーションや関連サービスをインターネットで必要な期間だけ借用するソフトウェアのサービス市場が本格化すれば、従来のような規模にある優位性はなくなるかもしれません。
グループ全体では、セガ・エンタープライゼス、アスキーなどのコンテンツ企業、ベルシステム24、サービスウェアなどのインターネットサポート企業、日本フィッツ、ネクストコムなどエンジニア企業を擁しており、グループとして来るべき時代に向けた体制を築きつつあります。昨年9月にスタートしたアスキーイーシーの次世代型サイト「e-sekai」はホビー、エンターテイメントを中心に150万点以上の商品を扱い、1日200万ページビューを獲得するほどの人気サイトに成長しています。

――地域密着ということでユニークな事例は?

池田 金物屋さんのネット通販のお手伝いをしていてわかったのですが、大工道具である銘入りのカンナが海外では室内の飾りとして人気を集めているんですね。最近では、本屋さんの中古書のオークションサイト、鍼灸(しんきゅう)団体から受託のレセプトシステムの構築などがあります。
お客様のニーズはやはりネットビジネスにあるようで、なかでもB to B(企業間EC)への関心が高まっているのを感じます。

――京都ならではの取り組みも考えられますね。

池田 その1つが旅館に対するサービス提供だと思っています。すでに最適なパッケージがあるので、パンフレットを配ってみたのですが…、まだ機は熱していないようです。

目標は株式公開
――今日のIT革命は既存のビジネスはもちろん、当の業界自体もめまぐるしく進化していますね。

池田 インターネットはもはやツールではなく、企業や社会にとって不可欠なインフラともいえます。さらに先ほどいったASPが拡大、つまりソフトのパッケージ化が進めば、システムの独自性よりも効率性やスピードが求められる時代になってくるでしょう。

――いま開発提案しているサービスにはどんなものがありますか。

池田 携帯電話のJ-フォンを使ったグループウェア「Thin Office」です。携帯からの操作でデータをサーバに入れ、それを携帯で取り出すことによってスケジュール管理や在庫、顧客管理もできるようにしたものです。情報端末としての携帯電話の多機能化は、我々にとっても重要なテーマととらえています。

――これからの課題と展開は。

池田 飛躍への条件は、Webの新しい仕組みをいかに構築していくかにかかっていると考えています。
地域法人7社の社長が3カ月に1回、東京に集まって情報交換しているのですが、全くのフランチャイズである北海道、東北は元気がいい。それに比べて京都、大阪、神戸は本体の西日本事業本部の傘の下にあるせいかも、と…(笑)。グループでは現在の株式公開企業5社に加えて、今年中に3社が公開を予定しています。どんどん株式公開していこうというのが方針で、我々も東証の「マザーズ」、あるいは店頭市場をめざして挑戦を続けていきます。

DATA
CSK京都システム(株)
代表取締役 池田 昭
住所 〒600-8310  
京都市下京区夷之町686-3コタニビル5F
TEL 075-344-4780
FAX 075-344-4783
E-mail info@cskkyoto.co.jp
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