1998 SEPTEMBER
NO.275
KYOTO MEDIA STATION
特集
マルチメディア社会の未来を拓く!
インターネットマルチ会場大会 開催
(財)京都産業情報センターは、おかげさまで設立20周年を迎えることになりました。日頃より当センターの事業に一方ならぬご支援・ご協力をいただきまして、誠にありがとうございます。当センターは昭和53年の設立以来、情報を事業展開の軸として、京都の中小企業を中心とする産業界に最新・最先端の技術と経営の情報を提供する支援機能を果たしてまいりました。
20周年の節目にあたり、センターの設立趣旨や地域の中でセンターが担うべき役割を再認識し、会員企業および関係機関の皆様とともに、21世紀に向けた産業振興の新たな方向性を探ることを目的に、「情報新世紀への挑戦“サイバーキャピタル京都を目指して”」をコンセプトに、記念事業の一環として「インターネットマルチ会場大会」を開催することにいたしました。
京都府北部・中央・南部の3会場を臨場感のある双方向のテレビ会議システムで結び、基調講演には京都大学大学院情報学研究科 石田亨教授から「インターネットとコミュニティ」と題するご講演をいただき、また会員企業の方々からはインターネットを活用した業務改善の事例を地元の会場より発表をしていただきます。
ご多忙中とは存じますが、これからのインターネット社会を理解し将来を展望する良い機会でございますので、ぜひ最寄りの会場にご参加ください。

インターネットマルチ会場大会とは

平成10年10月15日(木)14:00〜18:00
同時開催される府内2会場をNTTのマルチメディア会議システム「フェニックス」の多地点接続サービスで結び、映像・音声・を双方向に伝送。1つの会場から他の2会場の様子を見ることができ、互いに意見や質問を交換するなど、異なる3会場が一体となった臨場感あふれる大会を実現し、近い将来に訪れるマルチメディア社会の一端を提案します。
当日、ご都合のため会場に出向けないという方は、インターネット中継により大会に参加することができます。また、講演やインターネット活用事例の発表に対し、E-mailにて質問いただくことも可能にしています。



基調講演

テーマ「インターネットとコミュニティ」

講師 京都大学大学院社会情報学科教授 石田 亨先生


ネットワークが企業内に閉じていた頃は「チーム」が研究のキーワードで、人間の共同作業を支援するグループウェアや分散協調システムなどの柔らかいソフトウェアが盛んに研究されました。しかしいま、コンピュータネットワークの広域化に伴って、「チーム」から「コミュニティ」への大きなパラダイムシフトが始まっています。
グループウェアが企業内の人々の協調活動を支援したのに対し、広域は不特定多数の人々のコミュニケーションを支援します。「仮想空間で出会い」「知識と好みを共有し」「コンセンサスを導き」「日常生活を助け」「社会的イベントを支援」します。そこで、デジタルシティなどの新しい研究テーマも含めて、インターネットとコミュニティの新しい関わりを考えます。

プロフィール
1976京都大学工学部情報工学科卒業
1977同大学院修士課程修了
日本電信電話公社 電気通信研究所入所
米国コロンビア大学計算機科科学客員研究員
ミュンヘン工科大学客員教授など
現在京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻教授
工学博士、人口知能、コミュニケーション、社会情報システムを研究
「IEEE Transaction on PAMI」、「Autonomous Agents and Multiagent Systems」など雑誌の編集
編著書に、「分散人口知能」、「Community Computing:Collaboration over Global Information Systems」など


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