1997 MAY
NO.259
KYOTO MEDIA STATION
特集
平成9年度事業計画
基本方針

バブル経済の崩壊後の長引く不況下にあって、中小企業をとりまく経営環境は一層厳しい状況が続いています。
このような状況のもと、センターにおいては、設立20周年を来年に控え、一昨年7月に策定しました「21世紀に向けた(財)京都産業情報センター事業計画“(略称)ACT21”」に示された方針、方向に従って事業展開をはかっています。

<基本方針>
  1. マルチメディア対応を考えた京都産業の情報化の推進とグローバル化
  2. 府域への情報提供と情報化レベルにマッチした提供手段の確立
  3. 中小企業のニーズにマッチした魅力ある情報の創出・提供・交流
  4. 産業情報資源の交換事業の充実

<事業展開の方向>
  1. 推進軸の方向−−−−−情報ネットワーク
  2. 情報を交流させる方向−−−ヒューマンネットワーク
  3. 情報を耕す方向−−−−−−相談ネットワーク
  4. 情報を発信する方向−−−−グローバルネットワーク

 これに基づき今年度は、情報提供機能の一層の充実及びセンターの会員の拡大並びに交流事業の強化を主眼に置き、次の事業の推進を図る。
 なお、設立20周年に向けて、記念イベント等の企画立案を行うための記念事業委員会を設置する。

  1. 広域連携情報ネットワーク整備事業
  2. 地域データベースネットワーク整備事業
  3. 情報提供・情報創出事業
  4. 異業種交流推進事業
  5. 会員交流事業
  6. システム開発・支援事業
    (マイコンテクノHOUSE/京都運営事業)
  7. エネルギー使用合理化設備導入促進事業
  8. 小売商業活性化相談事業
  9. 中小小売商業情報提供事業
  10. 中小企業環境対応情報提供事業
  11. 中小企業エネルギー対応情報提供事業


主要事業

広域連携情報ネットワーク整備事業
1 インターネット利用推進事業
(1)情報発信支援企業
 共同利用コンピュータ(WWWサーバ)を設置して、京都府内の中小企業等が国内26府県、先進7カ国をはじめ世界を相手に自らの企業や製品の紹介、通信販売、顧客との情報交換等に利用できる環境を整備する。  WWWサーバー利用サービス(情報発信)を行う。

(2)ダイアルアップ接続事業
府内中小企業等に電話回線によるインターネット利用環境(電子メール、ネットニュース、telnet等のインターネットサービス)を提供する。
 また、ダイアルアップIP接続サービス、ファミリーIDサービス、メーリングリストサービス、独自ドメインサービスの提供を行う。

(3)情報発信画面作り支援事業
共同利用グラフィックス端末を設置して画面情報(ホームページ)作成に必要な画面データの作成を支援する。

(4)その他の事業
京都府の各機関の連携を促進するための共通画面を作成し、情報を発信する。また、インターネット利用に関わる講習会、研究会の開催やアドバイザー等の派遣により、中小企業のインターネット利用を支援する。

2 中小企業スーパーネット推進事業
中小企業事業団及び全国の中小企業地域情報センターの運営するスーパーネットワークシステムによる情報提供を行う。


地域データベース・ネットワーク整備事業
1 KYONET推進事業
(1)システムの効率的運用
 提供情報メニューの整理・統合を図り、インターネットメールや掲示板等の利用を働きかける。

(2)商用データベース等のゲートウェイサービス
 ニュース、Gサーチ利用のためのゲートウェイサービスを行う。

(3)普及啓発事業
 セミナー、デモンストレーションなどを行い、ネットワークの利用促進を図る。

2 FAXNET京都運用事業
府内全域の企業の情報収集力の向上・強化を図るとともに、センターの情報伝達ツールの多様化を図ることを目的として、ファクシミリネットワークシステム(FAXNET京都)を構築し、情報の収集力と発信力の一層の充実を図る。


情報提供、情報創出事業
1 地域中小企業経営動向分析事業
中小企業の経営革新に役立つ調査研究を行い、「情報センター機関誌」、インターネット等を利用して、その調査・分析結果、成功事例、制度・施策情報等に関する京都企業の幅広い個別情報相談、提供に応じるため、次の事業の充実を図る。

(1)外部データベース情報の提供
現在接続している5つの商用データベース(日経テレコム、ジョイス、ダイヤライン、ニフティサーブ、ジーサーチ)を有効に使い、京都企業に対する情報の質・量の充実を図る。

(2)情報誌「MONTHLY JOHO KYOTO」の充実
地域中小企業の経営に関する調査・分析結果、事例等の情報提供を行うとともに会員とセンターを結ぶ会員同士の交流の場として、情報提供、会員企業の紹介、センター活動紹介を柱に、その内容の質的向上を図る。

(3)産業情報ライブラリーの充実
中小企業経営に役立つ新聞、雑誌、図書、報告書、ビデオ等を購入し、個別情報相談、貸出しを行う。

(4)調査事業
中小企業の経営環境を調査分析し、経営の参考に資するため、次の調査を行う。
「インターネット利用促進状況等調査」

(5)地域固有データベースの構築
商工部関係機関及び団体等のデータベース、インターネットのホームページ等を活用して、中小企業のニーズに即した地域固有データベース(企業情報、製品情報、技術情報等)の構築を図り、インターネット等を通じて国内外を広く情報発信する。

2 情報化プラザ事業
企業のコンピュータシステムの開発、設計関係者などの情報化推進者に交流の場を提供するとともに講演会、セミナー、見学会を通じて技術や能力の向上と相互啓発を図る。

3 地域情報懇談会事業
府内地域企業、経済団体との情報懇談会を開催することにより、地域の高度情報化推進を図るとともに、会員拡充にも寄与する。

4 情報提供講習会事業
中小企業事業団との共催により講演会の開催を行う。
ア 中小企業海外投資講習会
イ 化学物質安全対策・化学兵器禁止条約対応講習会
ウ 安全保障輸出管理関連講習会
エ 中小企業環境管理・監査、容器包装リサイクル法、産業廃棄物等環境対策関連講習会
オ コンピュータ西暦2000年問題対応講習会


異業種交流推進事業
1 京都府異業種交流会連絡会議(略称:異業種京都会)の運営支援事業
 
府内で活動するあらゆる、すべての異業種グループ全体を視野において、当センター等の協力のもと、平成5年7月21日に設立、以来90グループ12,500社を擁する巨大な組織となったが、今後とも「異業種NET京都」の運用、ホームページの発信をはじめ、その運営につき支援する。

2 講演と交流の集い事業
異業種交流グループの活動状況等個々の構成員企業の生の声の発表の場、企業相互の直接の出会いの場を設け、情報交流との相乗効果による企業間交流の親密化を図るため講演と交流の集いを異業種京都会等との共催により開催する。

3 京都府異業種企業技術・市場交流プラザ事業
京都府異業種企業技術・市場交流プラザを開催し、企業間の出会いの場を提供する。

4 異業種京都会100テーブル交流会開催事業
異業種京都会に属する企業又は、異業種交流グループの新技術・新製品の発表の場、あるいは、新市場開拓の場として異業種京都会100テーブル交流会「異業種京都まつり」(仮称)を開催する。


会員交流事業
1 会員交流会事業
企業間交流、地域間交流を促進し、新しい出会いの場、情報交換の場をつくるため、会員交流会を開催するとともに、関係団体と協力し、新春賀詞交歓会を開催する。

2 後継者のための交流事業
他の業種の方々と交流することによって得られる幅広い情報、異業種であるがゆえにできる本音の情報交換、また産業界でご活躍されている方々からの講演、あるいは新商品開発に関するテーマ探索の手段など、交流しながら勉強することを目的とした会員企業の次世代を担う後継者を対象とした交流事業(「夢現の会」)を昨年度に引き続き開催する。

3 「会員交流サークル」運営支援事業
会員交流のためのセンター事業の一翼を担い、その都度センター会員への呼びかけによって事業展開される、自主的な交流サークルを組織し、その運営支援を行う。

(1)工場見学サークル
 府内外の特色ある企業、事業所への見学会を開催する。

(2)情報ゴルフ倶楽部
 春・夏・冬年3回ゴルフコンペを開催する。

4 「会員交流研究会」活動支援事業
会員を中心として、自主的な研究・交流活動を実施する「会」で、メンバーは一定固定的ではあるが、そのメンバーの半数程度かつ主要メンバーがセンターの会員であり、また、会員からの新規入会についても適宜認めている「会」に対してその事務部門等をサポートし、これら活動の益々の充実を図ることとする。

5 信用調査サービス事業
企業信用調査を帝国データバンクとの提携により、安価簡便に利用できる会員向けサービスシステムを実施する。


システム開発・支援事業(マイコンテクノHOUSE/京都運営事業)
1 インキュベーション・ラボラトリー運営事業
(1)「マイコンテクノHOUSE/京都」A棟・B棟の管理運営を行い、施設の活性化を図る。
(2)「マイコンテクノHOUSE/京都」への入居募集活動をさらに強化して入居率を上げる。
(3)施設の整備と充実を図り、施設の利用度を高める。
(4)入居者の展示会への出展支援を行う。

2 研究開発支援に関する事業
(1)技術や研究開発に関するコンサルティングを積極的に行う。
(2)研究開発支援用の設備・機器の充実を図る。


エネルギー使用合理化設備導入促進事業
地球環境の保全を図るため、省エネルギーの抜本的な推進、リサイクルの促進等、中小企業の積極的なエネルギー環境問題への対応を促進するために相談員を設置し啓蒙・普及、相談・指導を行う。(中小企業事業団受託事業)


小売商業活性化相談事業
小売商業分野の実務経験豊かな専門家を「小売商業活性化相談員(商業アドバイザー)」として委嘱し、小売店経営に関する個別相談に応じ指導を強化する。

1 個別相談事業
個別の店舗を巡回して、問題点を整理し、個々の店舗に対するアドバイスを行うとともに、今後の展開方向を指導する。

2 相談会事業
センターや各地で基盤整備事業を実施した商業地域を中心にして、経営相談や情報化相談を実施する。
(1)マーチャンダイジングやマーケティングノウハウの指導
(2)店舗設備、ディスプレイなどの情報化への相談
(3)POS、LANなどの情報化への相談
(4)リテールサポートセンターの有する各種情報の提供
(5)法律、税務、会計等の相談、専門家の紹介
(6)その他経営全般に関する相談、指導


中小小売商業情報提供事業
1 情報収集・加工・蓄積事業
(1)データベース情報提供事業
 日経テレコム、POS等のオンラインデータベースを指導団体、事業所、指導員等が利用できる体制を整えるとともに、売れ筋商品や市場規模等の種々の情報をサーチャーや指導員等の専門家のアドバイスを受けながら、収集、加工を実施できるようデータベース検索コーナーを設置する。

(2)映像図書館設置事業
 (株)ティービープラネットの衛星放送「Mチャンネル」を録画し、ビデオライブラリーを設け視聴覚コーナーで随時放映する。
 また新聞、雑誌、書籍、パンフレットなどの文字情報や経営に役立つ業務用ビデオを入手、陳列し、ライブラリーとして貸し出し等で広く普及する。
 なお、ミニビデオライブラリー事業を商工会・商工会議所等の協力を得て、府内各地域に設置し、府内全域における小売商業者の利用促進を図る。

2 情報創出事業
(1)定期調査事業
 展示会、イベント、講習会、立地情報を定期的に調査して、FAX通信で情報提供を行うとともに、情報誌やインターネットでも情報提供する。
 また、府全域を網羅したFAX通信ネットを利用し、イベント、立地情報や会員間の商品紹介等の各種情報交換サービスを支援する。

(2)調査研究事業
 消費者ニーズや購買動向の調査を実施し、小売商業者の経営改善の資料を提供するとともに、オリジナル商品やユニーク商品に関する調査を実施し、製造業者との情報交換を活発にし、製販直結による新しい流通チャネルや独自商品の開発を支援する。

(3)ニューメディア販売促進事業
 インターネット等の新しいメディアを活用した通信販売事業が、日々、急成長しているなかで、既存の枠を越えた商業の発展を支援するため、インターネットを始め、ニューメディアに触れるための実践的講習や先駆的な事例等についての情報提供を行う研究会を随時開催し、販売促進手法の情報化・高度化支援を行う。

3 情報提供事業
(1)情報誌発行事業
 小売商業関係の各種情報(イベント・セミナー情報、空店舗情報、新商品企画情報、消費者ニーズ情報、繁盛店リポート、経営アドバイザーの指導ポイント等)を掲載した情報誌を年間6回(隔月)発行し、中小小売商業者を中心に配布する。

(2)商店活性化セミナー
 商店経営の戦略や技術面の改善に役立つセミナーを年間を通じて随時開催する。
 また、独自商品企画や業態変更、業種転換等に意欲のある者や製造小売業者など異業種交流に意欲のあるものを対象に、セミナーを開催する。

(3)講演・講習会事業
 接客やPOP広告・ラッピングなどの商業実務関連の情報提供を行うため、講習会を府内各地できめ細かく開催する。


中小企業環境対応情報提供事業
1 情報創出事業
 
環境関連の課題について、情報誌等で普及するための調査研究を行う。

2 情報提供事業
(1)機関誌の発行
 環境問題に関する各種の規制、制度、技術、事例、業界動向、消費者意識等を編集し、中小企業に提供する。

(2)FAXニュースの発行
 時事の話題について、FAXネットを利用して即時提供する。


中小企業エネルギー対応情報提供事業
1 情報収集・加工・蓄積事業
(1)データベース情報提供事業
 スーパーネット、EL-NET、JICST等のデータベースを活用して中小企業者に事例や動向、科学技術に関する情報提供を行う。

(2)図書館事業
 図書及びビデオの貸し出しを行う。

2 情報創出事業
省エネルギー関連の課題について、情報誌やセミナー等で普及するための調査研究を行う。

3 情報提供事業
(1)機関誌の発行
 省エネルギーに関する各種の規制、制度、技術、事例、業界動向、消費者意識等を編集し、中小企業に提供する。

(2)FAXニュースの発行
 時事の課題については、FAXネットを利用して即時提供する。

(3)委員ネットワーク事業
 省エネルギーや環境問題に関する情報の収集及び中小企業に対する啓発・普及を図る方法を検討するため、「情報化推進委員会」を設置し、定期的に会議を開催する。

4 講習会開催事業
省エネルギー問題について、京都の中小企業・関係団体等を対象に啓蒙・普及のセミナー等を開催する。

MONTHLY JOHO KYOTO