1996 MAY
NO.247
MEDIA STATION


(財)京都産業情報センター
平成8年度事業計画

基本方針

産業構造の変革の時代をむかえ、中小企業をとりまく経営環境は大きく変化しようとしています。当センターの主要な事業分野である情報化分野において、マルチメディア化の急激な進展、インターネットの急速な普及などの環境変化が起こりつつあるとともに国の施策によって、いままでのセンターの枠を超える各種の情報提供、相談指導などの新たな事業分野が加わるなど、新しい課題も生まれています。
このような状況のもと、センターにおいては、21世紀を目前に控え、一層のセンター機能の充実、事業の発展及び組織の強化を図るため、昨年1月に「ACT21 委員会」を設け、審議願い、同年7月、次の事項を骨子とする「21世紀に向けた(剤)京都産業情報センター事業計画“(略称)ACT21 ”」を策定いただいたところであります。

<基本方針>

  1. マルチメディア対応を考えた京都産業の情報化の推進とグローバル化
  2. 府域への情報提供と情報化レベルにマッチした提供手段の確立
  3. 中小企業のニーズにマッチした提供手段の確立
  4. 産業情報資源の交換機能の充実
<事業展開の方向>
  1. 推進軸の方向−−−−−−情報ネットワーク
  2. 情報を交流させる方向−−ヒューマンネットワーク
  3. 情報を耕す方向−−−−−相談ネットワーク
  4. 情報を発信する方向−−−グローバルネットワーク
今年度は、上記報告書の具現化に向け、情報提供機能の一層の充実及びセンターの会員の拡大並びに交流事業の強化を引き続き主眼に置き、次の事業を推進します。
  1. インターネット利用推進事業
  2. 地域データベース・ネットワーク整備事業
  3. 情報提供・情報創出事業
  4. 会員交流事業
  5. 商店街情報化支援事業
  6. 異業種交流推進事業
  7. システム開発・支援事業
  8. エネルギー使用合理化設備導入促進事業
  9. 小売商業活性化相談事業
  10. 中小小売商業支援情報提供事業
  11. 中小企業環境対応情報提供事業
  12. 中小企業エネルギー対応情報提供事業


主要事業

インターネット利用推進事業


1情報発信支援事業
共同利用コンピュータ(WWW サーバ)を設置して、京都府内の中小企業等が国内24府県、先進7カ国をはじめ世界を相手に自らの企業や製品の紹介、通信販売、顧客との情報交換等に利用できる環境を整備する。
2ダイアルアップ接続事業
府内中小企業等に電話回線によるインターネット利用環境(電子メール、ネットニュース、telnet等のインターネットサービス)を提供する。
3情報発信画面作り支援事業
共同利用グラフィックス端末を設置して画面情報(ホームページ)作成に必要な画面データの作成を支援する。
4G7プロジェクト連携事業
中小企業のためのグローバルマーケットを目指すG7プロジェクトに連携して、先進7カ国及び国内24府県とリンクし、事業参加企業等の目次を作る。
5その他の事業
京都の産業、文化等を紹介する共通画面を作成し、情報を発信する。また、インターネット利用に関わる講習会、研究会の開催やアドバイザー等の派遣により、中小企業のインターネット利用を支援する。


地域データベース・ネットワーク整備事業


1SMIRS 推進事業
(1)SMIRS による情報提供の推進
中小企業事業団及び全国の中小企業地域情報センターの運営するSMIRS ネットワークによる情報提供を行う。なお、ホストコンピューターはワークステーションにダウンサイジングする。
(2)地域固有データベースの充実
センターの構築する地域固有データベース(企業情報、人材情報、文献情報、団体名簿)の充実を図る。
2KYONET推進事業
(1)提供情報の効率的運用
提供情報を充実させるため、メニュー変更等をきめ細かく行い、ユーザー間のメイルや会議室の利用を働きかける。
(2)CUG (クローズド・ユーザーズ・グループ)の会員の開拓
KYONETを利用したグループ内情報ネットワークとしての活用を促進する。特に、指導機関、協同組合等を対象にCUG 会員を募る。
3商用データベース等のゲートウェイサービス
商用データベース等のゲートウェイサービス(DL京都)を行う。
4普及啓発事業
(1)デモンストレーションの実施
自治体、企業等にデモンストレーションなどを行い、ネットワークの利用者拡大を図る。
(2)講習会の開催
利用者を対象にデータベース検索講習会を開催するなど、ネットワークの利用促進を図る。
5FAXNET京都運用事業
府内全域の企業の情報収集力の向上・強化を図るとともに、センターの情報 伝達ツールの多様化を図ることを目的として、ファクシミリネットワークシステム(FAXNET京都)を構築し、情報の収集力と発信力の一層の充実を図る。


情報提供・情報創出事業


1情報提供事業
企業経営に役立つ各種データを広範に収集し、京都企業の幅広い個別情報相談に応じるため、特に次の事業の充実を図る。
(1)外部データベース情報の提供
現在接続している5つの商用データベース(日経テレコン、ジョイス、ダイヤライン、ニフティサーブ、ジーサーチ)を有効に使い、京都企業に対する提供情報の質・量の充実を図る。
(2)情報誌「MONTHLY JOHO KYOTO」の充実
会員とセンターを結ぶとともに会員同士の交流の場として、情報提供、会員企業の紹介、センター活動紹介を柱に、その内容の質的向上を図る。
(3)産業図書ライブラリーの充実
技術・経営に関する図書のなかで、特に中小企業1社では購入困難でかつ必要なものを購入し、ライブラリーとして整備する。
(4)ビデオライブラリーの充実
企業の研修等に必要な教育用ビデオを購入し、ビデオライブラリーとして企業に貸し出しを行う。
2情報化プラザ事業
企業のコンピュータシステムの開発、設計関係者などの情報化推進者に交流の場を提供するとともに講演会セミナー見学会を通じて技術や能力の向上と相 互啓発を図る。
3地域情報懇談会事業
府内地域企業、経済団体との情報懇談会を開催することにより、地域の高度 情報化推進を図るとともに、会員拡充にも寄与する。
4調査事業
中小企業経営の参考に資するため、次の調査を行う。
(1)中小企業創造活動促進法施行後の企業の新分野進出、起業化等の動向調査
(2)産業の空洞化現象に関する実態調査
5情報提供講習会事業
中小企業事業団との共催により講演会の開催を行う。
(1)中小企業海外投資講演会
(2)PL法講演会
(3)化学物質安全対策・化学兵器禁止条約講演会
(4)安全保障輸出管理講演会
(5)中小企業環境管理・監査制度対応情報提供事業
(6)容器包装リサイクル法対応情報提供事業


会員交流事業


1会員交流会事業
(1)「会員交流・拡充委員会」設置運営
会員の交流事業を企画し実施するとともに、センターの活動の基盤である会員を増加するための諸事業について助言を得るため委員会を設置する。
(2)会員交流会事業
企業間交流、地域間交流を促進し、新しい出会いの場、情報交換の場をつくるため、会員交流会を開催するとともに、関係団体と協力し、新春賀詞交歓会を開催する。
2会員交流のためのプランタン・サロン事業
会員企業のニーズを踏まえ、その時々の関心事項について20名程度の座談会形式でゲスト・スピーカーはもちろん参加者相互の交流にも重点を置き開催す る。
3後継者のための交流事業
他の業種の方々と交流することによって得られる幅広い情報、異業種であるがゆえにできる本音の情報交換、また産業界でご活躍されている方々からの講 演、あるいは新商品開発に関するテーマ探索の手段など、交流しながら勉強することを目的とした会員企業の次世代を担う後継者を対象とした交流事業(「夢現の会」)を昨年度に引き続き開催する。
4「会員交流サークル」運営支援事業
会員交流のためのセンター事業の一翼を担い、その都度センター会員への呼びかけによって事業展開される、自主的な交流サークルを組織し、その運営支 援を行う。
(1)工場見学サークル
府内外の特色ある企業、事業所への見学会を開催する。
(2)情報ゴルフ倶楽部
春・夏・冬年3回ゴルフコンペを開催する。
5「会員交流研究会」活動支援事業
会員を中心として、自主的な研究・交流活動を実施する「会」で、メンバーは一定固定的ではあるが、そのメンバーの半数程度かつ主要メンバーがセンターの会員であり、また、会員からの新規入会についても適宜認めている「会」に対してその事務部門等をサポートし、これら活動の益々の充実を図ることとする。
6信用調査サービス事業
企業信用調査を帝国データバンクとの提携により、安価簡便に利用できる会員向けサービスシステムを実施する。
7 会員交流海外視察団派遣事業
海外の文化・情報・人等に接することによって得られるビジネスチャンスや、産業のグローバル化と呼ばれている今日の国際動向を理解するため、海外視察 団の派遣を実施する。


商店街情報化支援事業


1クレジット一括処理に関する事業
小売商業分野の高度情報化支援の一環として、商店街クレジットカード売上げ一括処理システムの運用と、これらシステムを活用した付加価値の高い情報処理システムの構築検討を行う。
2リテールサポート情報化調査
小売商業界の動向の調査分析を行い、支援施策を検討する。


異業種交流推進事業


1京都府異業種交流会連絡会議(略称:異業種京都会)の運営支援事業
府内で活動するあらゆる、すべての異業種グループ全体を視野において、当センター等の協力のもと、平成5年7月21日に設立、以来98グループ12,500社を擁する巨大な組織となったが、今後とも「異業種NET 京都」の運用をはじめ、その運営につき支援する。
2講演と交流の集い事業
異業種交流グループの活動状況等個々の構成員企業の生の声の発表の場、企業相互の直接の出会いの場を設け、情報交流との相乗効果による企業間交流の親密化を図るため講演と交流の集いを異業種京都会等との共催により開催する。
3京都府異業種企業技術・市場交流プラザ事業
京都府異業種企業技術・市場交流プラザを開催し、企業間の出会いの場を提供する。


システム開発・支援事業


1インキュベーション・ラボラトリー運営事業
(1)「マイコンテクノHOUSE /京都」A 棟・B 棟の管理運営を行い、施設の活性化を図る。
(2)「マイコンテクノHOUSE /京都」A 棟への入居募集活動をさらに強化して入居率を上げる。
(3)施設の整備と充実を図り、施設の利用度を高める。
(4)入居者の展示会への出展支援を行う。
2研究開発支援に関する事業
(1)技術や研究開発に関するコンサルティングを積極的に行う。
(2)研究開発支援用の設備・機器の充実を図る。


エネルギー使用合理化設備導入促進事業
1地球環境の保全を図るため、省エネルギーの抜本的な推進、リサイクルの促進等中小企業の積極的なエネルギー環境問題への対応を促進するために相談員を設置し啓蒙、指導を行う。(中小企業事業団受託事業)


小売商業活性化相談事業
小売商業分野の実務経験豊かな専門家を「小売商業活性化相談員(商業アドバイザー)」として委嘱し、個別相談・指導に応じる。
1個別相談事業
個別の店舗を巡回して、問題点を整理し、個々の店舗に対するアドバイスを行うとともに、今後の展開方向を指導する。
2相談会事業
センターや各地で経営相談や情報化相談を実施する。
(1)マーチャンダイジングやマーケティングノウハウの指導
(2)店舗設備、ディスプレイなどの店舗経営管理の相談
(3)POS 、LAN などの情報化への相談
(4)リテールサポートセンターの有する各種情報の提供
(5)法律、税務、会計等の相談、専門家の紹介
(6)その他経営全般に関する相談、指導


中小小売商業情報提供事業


1情報収集・加工・蓄積事業
(1)データベース情報提供事業
日経テレコムpos 等のオンラインデータベースを団体、事業所、指導員等が利用できる体制を整えるとともに、売れ筋商品や市場規模等の種々の情報をサーチャーや指導員等の専門家のアドバイスを受けながら収集、加工を実施できるようデータベース検索コーナーを設置する。
(2)映像図書館設置事業
日本商業テレビジョンネットワークの衛星放送を録画し、ビデオライブラリイーを設け視聴覚コーナーで随時放映する。 また新聞、雑誌、書籍、パンフレットなどの文字情報や経営に役立つ業務用ビデオを入手、陳列し、ライブラリイーとして貸し出し等で広く利用する。
2 情報創出事業
(1)定期調査事業
展示会、イベント、講習会、立地情報を定期的に調査して、FAX 通信で情報提供を行うとともに情報誌等にも掲載する。 また、府全域を網羅したFAX 通信ネットを利用し、イベント、立地情報や会員間の商品紹介等の各種情報交換サービスを支援する。
(2)調査研究事業
消費者ニーズや購買動向の調査を実施し、小売商業者の経営改善の資料を提供するとともに、オリジナル商品やユニーク商品に関する調査う実施し、製造業者との情報交換を活発にし、製販直結による新しい流通チャネルや独自商品の開発を支援する。
(3)ニューメディア販売促進事業
CD-ROMやパソコン通信等のメディアを活用した通信販売事業は、日々、急成長しているのが現状である。そこで、既存の枠を越えた商業の発展を支援するため、インターネットを始め、ニューメディアに触れるための実践的講習や先駆的な事例等についての調査を行う研究会を実施し、ニューメディア販売促進の普及を図る。
3 情報提供事業
(1)情報誌発行事業
小売商業関係の各種情報を掲載した情報誌を年間数回発行し、中小小売業を中心に配布する。
内容としては、研修・イベント情報、空店舗情報、新商品企画情報、消費者ニーズ情報、繁盛店リポート、経営アドバイザーの指導ポイント等を盛り込む。
(2)商店活性化セミナー
商店経営の戦略や技術面の改善に役立つセミナーを年間通じて随時開催する。また、独自商品企画や業態変更、業種転換等に意欲のある者や製造業者  など異業種交流に意欲のあるものを対象に、セミナーを開催する。
(3)講演・講習会事業
商業関連の講演会、見学会などを実施する。


中小企業環境対応情報提供事業


1情報創出事業   
環境関連の課題について、情報誌等で普及するための調査研究を行う。
2情報提供事業
(1)機関誌の発行
環境問題に関する各種の規制、制度、技術、事例、業界動向、消費者意識等を編集し、中小企業に提供する。
(2)FAX ニューの発行
時事の話題について、FAX ネットを利用して即時提供する。


中小企業エネルギー対応情報提供事業


1情報収集・加工・蓄積事業
(1)データベース情報提供事業
SMIRS 、EL-NET、JICST 等のデータベースを活用して中小企業者に事例や動向、科学技術に関する情報提供を行う。
(2)図書館事業
図書及びビデオの貸し出しを行う。
2情報創出事業
  
エネルギー関連の課題について、情報誌やセミナー等で普及するための調査研究を行う。
3情報提供事業
(1)機関誌の発行
省エネルギーに関する各種の規制、制度、技術、事例、業界動向、消費者意識等を編集し、中小企業に提供する。
特にRITE、大学等の研究開発情報や市町村、企業の情報等を独自調査して提供する。
(2)FAX ニュースの発行
時事の課題については、FAX ネットを利用して即時提供する。
(3)委員ネットワーク事業
省エネルギーや環境問題に関する情報の収集及び中小企業に対する啓発・普及を図る方法を検討するため、「情報化推進委員会」を設置し、定期的に会議を開催するとともに、各委員が必要に応じて府内の企業を訪問し、情報の収集、啓発、普及を行う。
また、リアルタイムに多彩な情報を共有できるよう情報センターと各委員のノートパソコンを相互に結ぶシステムを作り、各委員の意見交換、報告やデータの検索を容易にして、委員の活動を支援する。
4講習会開催事業   
RITE、大学等の研究技術者が持つ省エネルギー知識を、京都の中小企業に啓 蒙・普及するためのセミナー等を開催する。



MONTHLY JOHO KYOTO