MONTHLY JOHO KYOTO
1995 OCTOBER NO.240
MONTHLY JOHO KYOTO MEDIA STATION



けいはんなプラザ
-21世紀を展望する
「交流の場」の創出をめざして-


京都・大阪・奈良にまたがる歴史・文化・自然環境に恵まれた京阪奈丘陵に、21世紀の創造的、国際的、学術的、業際的な文化学術研究機能の新たな拠点づくりをめざし、産官学の連携のもと、関西文化学術研究都市の建設が着々と進められています。
 ここでは、21世紀に向けた情報通信基盤の整備およびアプリケーションの開発を目指し、BBCC(新世代通信網実験協議会)によるB-ISDN実用化実験やPNES(新世代通信網利用高度化協会)によりパイロット事業が展開されています。
 1994年秋には「けいはんな学研都市フェスティバル」が開催され、今21世紀に向けた都市整備をさらに推進するため、セカンド・ステージ・プランの推進調査が進められています。
 また、「国立国会図書館関西館(仮称)」や「国立文化財総合機構(仮称)」などの構想の具現化も進められています。なかでも、1993年4月にオープンした「けいはんなプラザ」は、都市の中核施設として、文化・学術・研究の交流を総合的に推進していく重要な役割を担っています。


人と情報が出会う創造空間

「けいはんなプラザ」は関西文化学術研究都市のシンボルといえ、学研都市の中核を担うこの施設のあらゆるステージで、未来に向けて情報や研究交流などが活発に行われています。この施設のコンセプトは、都市内の研究機能の集積を最大限に活かしながら、研究者に国際的、学術的な研究交流の機会と場を提供し、研究活動に創造性と活発化をもたらす“知的交流の核”となることです。
 さらに、その成果を世界に向けて発信する、情報発信基地としての役割や都市生活を送る上での出会いの場、憩いの場となることも重要な役割です。

フレックスな研究レンタルスペース

新技術事業団や民間企業、自治体などに研究スペースを提供し、多くの研究者により様々な研究活動が活発に行われているラボ棟は、地下1階地上13階で、理化学実験系(1〜5階)とエレクトロニクス系(6〜13階)の2系統からなっています。いずれも基準平面は約80uを単位とし、理科学実験系は54ユニット、エレクトロニクス系は96ユニットありますが、廊下部分を含め、約550u(6ユニット)をワンルームとして使用も可能です。また、建物中央に排気・排水のテクニカルスリットが設けられているほか、理化学系については床面にもフリーアクセスで排水処理設備が設置できるなど、多彩なニーズに対応するフレキシブルな使用が可能です。その他の施設としては、1階に郵便局と医療施設(予定)、2階に入居者を対象としてフィットネスルーム、各フロアには、談話と憩いのスペースとして、リフレッシュコーナーが設けられています。
 7階には、京都府交流室があり、異業種交流会などの会合にも利用されています。
 また、屋上には高速交通時代に対応するヘリポート(関西国際空港から約20分)も完備されています。
 スーパーラボ棟は、精密測定器やクリーンルームなどを必要とする特殊な実験に対応しています。クラス100レベルまでの垂直層流方式のクリーンルームに対応可能な階高(7m)と振動源を切り離した建物構造により、電子顕微鏡などの精密測定機器の設置も可能です。基準平面は約100uを単位とし、各階6ユニットの2階建で、計12ユニットありますが、1フロア約680uをワンルームとしての使用も可能です。また、室外機置場や、中和槽などの薬液排水処理施設を設けているので、室外機器の設置や薬液の処理が容易です。


強力な情報プラットホーム

情報化時代に対応していくためには、的確な情報をより早く入手し、その情報の中から有益なものをセレクトし、さらに戦略的な加工や創造をすることが要求されます。そのための強力な情報プラットホームとして施設内にマルチメディア情報センター“インフォザール”を設置しています。インフィザールは最先端の機器と専門スタッフにより、国内外の商用データベースから5億以上の収録情報の検索が可能なほか、電子編集機能を駆使したプレゼンテーション資料や議事録の作成、テープ起こし、翻訳、通訳、スーパーコンピュータの利用環境の提供をはじめ様々な情報サービスの拠点となっています。
 また、これらの施設のほかに、世界をリードする会議、イベントが催されるコンベンション施設はメインホール、会議室、イベントホール等からなり住友グループから(財)関西文化学術研究都市推進機構に寄贈され運営されています。この、メインホールは、収容人数1,000名で国際会議を始めとする各種コンベンション、コンサート、演劇など多様な利用形態に対応できる最新鋭の設備をほこるホールになっています。また、けいはんなプラザには、“けいはんな都ホテル”もあり、研究者、ビジネスマンの宿泊を考慮して全室パソコン、FAXが対応可能になっています。


DATA

株式会社けいはんな
住所
TEL
FAX
京都府精華町光台1丁目7
07749-5-5111
07749-5-5116