MONTHLY JOHO KYOTO
1995 SEPTEMBER NO.239
MONTHLY JOHO KYOTO MEDIA STATION



奈良
先端科学技術大学院大学

-21世紀の先端科学技術を担う
        中枢機関を目指して-


奈良先端科学技術大学院大学(NARA INSTITUTE of SCIENCE and TECHNOLOGY)は、略称“奈良先端大”、または“NAIST”(英語名称の頭文字)と呼ばれています。
 NAISTは、わが国でも数少ない学部を置かない大学院のみの国立大学で、先端科学技術分野の情報科学、バイオサイエンスにおける高度な基礎研究の推進と、大学等の研究者の養成、社会や企業における研究開発等を担う研究者、技術者の養成・再教育を目的として平成3年10月に、関西文化学術研究都市の高山地区に設立されました。
 平成5年4月、情報科学研究科の学生受け入れ、平成6年4月、バイオサイエンス研究科の学生受け入れを開始し、この春、情報科学研究科の最初の博士前期(修士)課程修了者を送り出しました。


●特  色
NAISTは、下記の特色を持っています。
1)多様な学生の受け入れ
卒業大学での専攻や卒業年次にとらわれず、積極的に勉学、研究に取り込む意欲のある人を幅広く受け入れています。また、社会で活躍中の研究・技術者などにも門戸を開いています。
入学希望者にフレキシブルに対応するため、年3回(8月、9月、3月)、面接を主体とした入学試験を実施しています。
現在522名の20代から50代の多様な分野の学生が勉学・研究に励んでいます。

2)教育の重視
多様な分野からの入学者に対し、先端科学技術分野の幅広い知識や基礎から最先端までの理論や技術が修得できるように、「基礎科目」や「入門科目」、概論等、幅広い談義、ゼミナール、課題研究等教育重視のカリキュラムを編成しています。

3)多様な教員
広く公募によって、大学および民間の研究者から、先端的研究実績のある若手研究者を教員として採用しています。教員の年齢は若く両研究科それぞれの講座担当教授の約半数は45才以下、助教授、助手も若い新進気鋭で、大学内には洗刺とした空気がみなぎっています。

4)国際交流・協力の推進
外国人研究者との共同研究の実施、国際シンポジウムの開催など先端科学技術分野の研究者等との国際交流を積極的に推進しています。また、留学生を受け入れ、国際的な人材養成にも協力しています。

5)産学官交流の推進
企業、他大学との共同研究等を積極的に推進しています。

6)短期終了
博士前期(修士)課程は2年、博士後期(博士)課程は3年ですが、優れた研究業績を修めた者は、博士前期課程は1年以上、博士後期課程は博士前期課程と併せて3年以上の在学で短期終了できます。なお、博士前期課程で15名の短期終了者が認められています。


情報科学研究科
情報科学研究科は、情報処理学専攻と情報システム学専攻から構成されています。
情報処理学専攻では、高度情報処理を表現するための核である情報理論、形式論理、計算機言語、知識表現、パターン認識、合成などの基礎理論や処理方式についての高度な教育研究を行っています。
情報システム学専攻では、高度情報システムにおけるアーキテクチャ、オペレーティングシステムなどの大規模システムの計画・設計、データベースの設計・管理運用、高信頼性システムの構成技術、システムシミュレーション、評価技法などについての高度な研究を行っています。


●バイオサイエンス研究科
バイオサイエンス研究科は、細胞生物学専攻と分子生物学専攻から構成されています。 細胞生物学専攻では、細胞の構造と機能に関する研究を基盤にして、代謝、応答、情報発現、発生、形態形成等の生体機能を解明し、さらに、動物、植物及び微生物の形質転換と発現の研究を通じて、個体レベルの研究方法の開発を目的とした教育研究を行っています。 分子生物学専攻では、遺伝子から細胞表層までの多様な生体構造と遺伝子情報を分子レベルで総合的に解析し、生命現象の本質を明らかにして分子から個体を再構築する研究方法の開発を目的とした教育研究を行っています。


●情報科学センター
コンピュータ利用を支援し、外部機関との連携を図るため、大学全体のコンピュータの一元的な管理運営を行い、先端科学技術の教育研究を行いに相応しい環境整備を推進しています。具体的には、超高速キャンパス基盤ネットワーク(曼陀羅ネットワーク)として、現在世界最高高速の1ギガビット/秒のネットワークであるであるUItraNetworkを採用し、さらに各研究室に対し、FDDIとEthernetをサービスネットワークとして提供しています。また、国内のネットワークとして提供しています。また、国内のネットワークにも768キロビット/秒以上のデジタル回線を用いて接続し、充実した広域ネットワーク接続を確保しています。


●遺伝子教育研究センター
バイオサイエンス研究科の各講座単位では対応が困難な総合的、先端的な教育研究を行っています。具体的には、細胞工学や発生工学的手法を用いた細胞及び個体レベルでの高等動・植物の高次機能の解析並びに遺伝子・蛋白質の高次構造と機能の解析及び高等生物の高次な生体情報の解析を主とした教育研究を行うとともに、RIや細胞工学、分子工学的手法に関する実習を行っています。


●先端科学技術研究調査センター
当センターの重要な役割は産官学の連携の拠点としての活動です。世界の、日本の、地域社会の、そして産業界の動きや要請を大学での教育研究に的確に反映させること、また大学での研究成果を的確かつ迅速に産業界や社会のために役立たせるよう「橋かけ」役を行っています。具体的には、産官学の共同研究への積極的な支援を目指しています。
また、大学が下記の支援財団との共同事業として行っている民間企業等を対象とした「科学技術相談」事業にも参画しています。なお同相談の窓口は研究協力課(Tel/fax07437-2-5023/5399)または支援財団(tel/fax07437-2-5810/5819)です。


●電子図書館
NAISTは、先端的な教育研究に必要な学術情報を迅速・正確に提供するため、資料を電子化して蓄積し、ネットワークを介して利用者に提供する「電子図書館」を構築し平成8年度から開始します。「電子図書館」は、図書・雑誌だけでなく、ビデオなどの動画像データを含むマルチメディア情報を統合したデータベースを構築する「メディアセンター」を目指すもので、マルチメディア時代に対応する大学図書館の全面的な電子化は、全国でも初めての試みです。


●奈良先端科学技術大学院大学支援財団
NAISTの教育研究活動・国際交流活動支援ならびにNAISTと産業界、地方公共団体との交流支援、市民との交流支援を図るために平成3年7月に設立された第3セクターの財団です。高山サイエンスプラザを拠点にして、学術研究成果の普及に努めています。


NAISTに関する事は下記にお問い合わせてください。
なお、情報はインターネットを通してご覧になれます。ご利用ください。


DATA

奈良先端科学技術大学院大学
住所
TEL
FAX
〒630ー01 奈良県生駒市高山町8916ー5
07437-2-5026
07437-2-5011
ホームページ 奈良先端科学技術大学院大学
アドレス http://www. aist-nara.ac.jp/