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●「納得・満足のいくDM医療」を手に入れるために

それでは、「納得・満足のいくDM医療」を手に入れるためには、具体的にはどのようにしていけばいいのでしょうか。
これは以前別の場所でも指摘したことですが、1型DMの医療は火事に喩えることができると思います。木造家屋は出火から僅か8分で全焼してしまうので、幾ら消防署が最新鋭の消火設備を備えていても、現場に辿り着けなければ、また現場で消火栓を確保できなければ、消火することは不可能です。1型DMの医療もこれと全く同じで、消火設備すなわち医療技術を充実させるだけでなく、現場に急行して放水するまでの手順すなわち医療制度をきちんと整備しておく必要があるのではないでしょうか。

そのためには、先ず、安価・安全・確実な医療技術の開発が不可欠になります。例えば、針を使わない注射器システムとして、このような技術側からの提案があります。

しかし、1型DMの問題はこのような医療技術だけ発展すれば解消するものではありません。医療技術側の改善・革新と歩調を合わせ、その医療技術のポテンシャルを最大限発揮・普及させるための制度の整備が必要になってくるのです。1型DMの発症後、その予後を「運」「不運」の問題にしないためにも、今後それらのあり方については早急な見直しが必要でしょう。