●トップセミナー
【とっぷ・せみなー】
(一般名)



 これまでのトップセミナーの開催の経緯はジャンボリー(→)の項目でも論じたので、そちらに譲るとして、ここではその開催意義について概観してみたい。

 ジャンボリーは1型DM一般の方を対象に開催される親睦・交流会であり、トップセミナーは1型DMで各地方の患者会運営に携わっているような方を対象にした勉強会として位置づけられてきた。これまでにジャンボリー、トップセミナーは合わせて22回が開催されてきたが、ここにきてジャンボリー、トップセミナーのいずれについてもその開催の意義と意味が大きく問われるようになってきている。

 まずジャンボリー、トップセミナーが果たしてきた役割であるが、これは以下の3点が挙げられよう。

最新の治療方法の紹介、普及
全国の1 型DM 同士をつなぐ接点
貴重な親睦、交流の場

患者数が少ない、治療についての情報も少ない、従来のそうした不安な状況の中では、多くの患者が一同に集まって開催されるジャンボリーやトップセミナーは計り知れない貢献をしてきた。しかし、最近ではこうしたイベントそれ自体が抱える問題として、

公式な結果報告* および収支報告がない(* 感想文集を除く)
次回開催地への申し送りがない
内容の「同窓会」化

が指摘されるようになってきたのである。

 それらに加え、社会的状況の変化としてインターネットに代表されるITの社会的普及が挙げられる。これにより、最新の医療情報は瞬時に手に入るようになり、メーリングリストや掲示板、Blogなど、ネット上での1型DM患者同志の交流・コミュニケーションも非常に活発になってきている。これらは多くの方にとっては周知の事実であろう。こうした状況の中、全国の1型DMの方々が遠路はるばる1箇所に集まって、実際に顔を合わせ、大きなイベントを行うことに、どれほどの意味があるのかとの疑問が生じてきたのである。

 ジャンボリー・トップセミナーの今後の展望としては、まずITの普及を背景としてコミュニケーションネットワークを発展させることと、従来のような「与えられる」「与えてもらう」医療制度を見直し、「インフォームド・コンセント(あるいはインフォームド・チョイス)」の言葉にも表わされているように患者自身が治療過程に積極的に関与することなどを目的として、「また会えてよかったね」だけで終わってしまう「同窓会」から脱皮し、「問題提起・検討・提言」の場へと徐々に位置づけを変えていく必要がないだろうか。

 これまでのジャンボリー、トップセミナーは自分達自身のことに気を取られるあまり、社会的な視点が欠けていたように思われる。「1年に1回だけこの場限りの話」で終わらせるのではなく、1年を通して話し合った内容をそこで集約・検討し、社会に向けて提言していけるような場となることが望まれる。またそのための努力をしていくべきであろう。すでに取り組みが始まっている「ヤングDMカンファレンス」では、是非そうした方向性を打ち出してもらいたい。