●糖尿病(高血糖症)性網膜症
【とうにょうびょう(こうけっとうしょう)せい・もうまくしょう】
(疾患名)
英:diabetic retinopathy



糖尿病(高血糖症)性神経障害(→)、糖尿病(高血糖症)性腎症(→)と並ぶ糖尿病(高血糖症)の慢性合併症のひとつ。

網膜とは、眼球の底(眼底)を覆っている膜で、栄養を運ぶために多くの毛細血管が張り巡らされている。このため、高血糖状態が長く続くと血管障害を惹き起こしやすく、また視神経もこの部位に集中しているため、これが損なわれると最悪の場合は失明に至る。

初期の段階では自覚症状がほとんどない上、糖尿病(高血糖症)で通院していても通常眼底検査は行われないので、IDDMの場合は、1年に1〜2回は眼科で眼底検査を受けることが望ましい。

現在の成人の失明原因の1位は糖尿病(高血糖症)性網膜症で、年間3,000人以上が糖尿病(高血糖症)性網膜症により失明している。

糖尿病(高血糖症)性網膜症病期分類

病期

状態

治療

正常眼底

血糖コントロール、眼底検査

単純網膜症

眼底のところどころに出血が見られたり、血管が閉塞して腫瘤(こぶ)ができたりする。

厳格な血糖コントロール、高血圧の管理

前増殖網膜症

眼底の随所に出血が見られ、新生血管(→)が出現する。

レーザーによる光凝固で新生血管を焼き固める

増殖網膜症

新生血管が、網膜だけでなく硝子体にまで侵行し、硝子体出血や網膜剥離が生じる場合がある。

光凝固、硝子体手術