糖毒性
【とう・どくせい】
(一般名)
英: glucotoxity


特に糖尿病のコントロールが悪いときに起こりうる病態で、高血糖自体が膵臓β細胞のインスリン分泌能力を低下させ、インスリン抵抗性(→)を高めてしまうことにより、更なる高血糖を招いてしまうこと。

NIDDM患者で、食事療法(→)、運動療法(→)、経口血糖降下剤(→)による薬物治療を行ってもコントロールが改善しない場合は、糖毒性が発現している可能性が高い。高血糖状態はそれだけで膵臓β細胞に負担をかけ、インスリン抵抗性の原因になるからである。

このような場合は、一時的にインスリン注射を導入し、先ず血糖値を正常域まで下げることによって糖毒性を取り除き、β細胞のインスリン分泌能力を回復させ、インスリン抵抗性を下げるように努めるべきである。そうすればコントロールも速やかに改善され、結果的にはその方がより早期にインスリン注射から離脱できる可能性が高いと考えられる。